第101回の甲子園大会は8強が出そろった。令和の初代王者は? 日刊スポーツアマチュア野球担当の東京キャップ古川、大阪キャップ柏原、東北担当の鎌田が展望を語り合った。

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古川(以下、古) センバツ同様、西日本の強さが目立つね。東京キャップとしては、ちょっと寂しい。

柏原(以下、柏) 注目は、やはり星稜でしょう。智弁和歌山との3回戦は肩、凝りましたわ~。キーマンは、もちろん奥川。連戦の準々決勝を他の投手陣で勝ちきるのがベストです。センバツは初戦の履正社戦で奥川が会心の投球。チームに満足感が漂ってしまい、2回戦で敗れた。二の舞にならなければ、石川県勢初の優勝も見えてくる。

鎌田(以下、鎌) 東北勢の頑張りも目立つよ。なんと言っても「優勝旗の白河越え」という大目標がある。星稜と戦う仙台育英は1年生4人がベンチ入り。学年を超えた一体感が強みだ。小濃と大栄は昨夏初戦敗退の悔しさがある。それがチームに浸透している。

柏 初優勝への思いなら履正社も負けてません。大会屈指の強力打線。センバツは奥川に歯が立たなかったが、夏に合わせ最高の状態に。霞ケ浦・鈴木、津田学園・前とプロ注目投手を打ち崩し、自信もついた。

古 履正社と戦う関東第一は機動力で臨みたい。1番の大久保は50メートル5秒7で、プロでもそうはいない速さ。土屋、谷の2枚看板でどれだけしのげるか。関東のもう1校、作新学院はチーム力が高い。2回戦は岡山学芸館に18-0の完勝。大差がついても、攻撃を緩めなかった。石井主将を中心に意思統一されている。

柏 作新学院と戦う中京学院大中京も主将の藤田が中心。強肩捕手で4番。攻守の要です。社会人野球で経験豊富な橋本監督の手腕も注目。3回戦は小刻み継投で東海大相模を倒した。

鎌 「白河越え」を狙う、もう1校が八戸学院光星。大阪第2代表、なんて言う人もいるけど、選手たちの思いは純粋。1番の武岡が打てば士気が上がる。期待できるよ。

柏 相手の明石商は強敵ですよ。終盤の粘り、得点への執念、攻め手の多さが際立ちます。そして、狭間監督のベンチワーク。何をやってくるか分からない“薄気味悪さ”がある。実は、大会前から優勝候補の筆頭と見ていました。

古 8校で優勝経験があるのは作新学院だけ。昨年までの大阪桐蔭のような絶対王者もいない。目が離せないね。【古川真弥、柏原誠、鎌田直秀】