来年のU18日本代表を独断で決めよう。そんな思いつきから、アラフォー記者2人だけの「勝手に選考委員会」を開いた。

米国-台湾の決勝取材の時間が近づく。最初の1時間を投手選考に費やし、リミットはあと1時間。冷房が故障したマクドナルドを一刻も早く出たかったが、議論がまとまらない。噴き出す汗をぬぐうのも忘れ、アラフォー記者2人だけの選考会は続いた。

【野手編】

まず当確させたのは今回下級生でメンバー入りした横山と鵜沼。能力的にも十分で今大会の経験を伝えてほしい。横山は新チームでは捕手を務めるので捕手枠。星稜の遊撃手で3季連続甲子園の内山も同じく捕手。限られた枠でユーティリティー性はやはり大きい。願わくばデンと座る正捕手がほしいが「出現を待とう」で一致した。

内野手はまず夏V履正社の3番小深田。強力な左の大砲だ。右は打撃に特化したハードパンチャー大阪桐蔭・西野と、とにかく勝負強い龍谷大平安・奥村。3人は一塁か三塁を守る。

二遊間はセンス抜群の広陵・宗山と横浜・度会が二塁候補。甲子園で好守が際立った習志野・角田は遊撃レギュラーとして選んだ。大事な場面で失策が連発した今大会。遊撃の守備力は「勝手に選考会」がこだわった部分だ。

ただし、遊撃手6人が選ばれた今大会と対照的に、二遊間の少なさが気がかり。角田が故障や不調ならどうしよう…。打力もある近江・土田を最後まで検討したが「ま、内山や宗山もいるしね」で一致した。

外野は明石商・来田がいの一番。走攻守にすぐれ、1~3番で使いたい。右の大砲の花咲徳栄・井上、智弁和歌山・細川に今年メンバー入りの鵜沼。サブには投手の仲三河、森木に捕手の横山。充実の布陣だが、外野専任が4人だと内野が手薄になる。「外野2人」でいろいろ言われた永田監督の苦悩がよく分かる。

左の大砲、東海大相模・山村も迷ったが、攻守・左右のバランスを考えて苦渋の決断を下した。投手・遊撃・外野とこなした先輩遠藤の偉大さを実感した。

投手に比べると野手は素材が多い印象だった。20枠の中で投手に人数を割くと、野手のチョイスが難しくなる。特に打撃偏重タイプの野手は木製バットに確実に対応すること、本番に打撃の調子を合わせることが必須。調子を落とした瞬間にベンチウオーマーになるリスクがある。春の事前合宿での見極めが大事だ。

「勝手に高校ジャパン選考会」選出のメンバーがリアルに選ばれることを願うとともに、彼らを脅かす選手が多く出てきてほしい。

マクドナルドを出ると、秋の訪れを感じさせる涼しい風。タクシーですっかり慣れた道を走り、球場に到着。決勝戦を前にWBSCのスタッフがメイン球場正面で記念撮影していた。10日間にわたる大会も終わりだ。ここに日本代表がいないのが寂しかった。【金子真仁、柏原誠】