履正社・岡田監督、山田哲人をプロに導いた指導法

昨夏の甲子園で初の日本一に輝いた履正社(大阪)硬式野球部の岡田龍生監督(58)が18日、岩手・花巻市内のホテルで講演を行った。会場には岩手県高野連加盟の指導者ら約80人が集まり、名将の言葉に耳を傾けた。

岡田監督は87年から履正社で指揮を執り、当時はスパルタ指導で選手に手を上げることもあったという。これが問題視され、02年には半年間の謹慎処分も受けている。しかし、この負の経験は後に生かされる。謹慎期間中に指導者としてどうあるべきかを熟考し、一方的なスパルタではなく、選手と積極的にふれ合うことを心がけた。それにより、明らかに選手に自主性が芽生えたという。さらに、選手のみならず保護者とも度々、面談の場を設けて、相互理解を深めてきた。特に印象に残っているのは、同校OBで3度のトリプルスリーを達成した山田哲人(27=現ヤクルト)との面談だった。

岡田監督「『進路はどうするんだ』と聞くと、山田は『プロになりたいです』と答えたんです。私は『(山田はこれまで)プロになれるような努力はしていないぞ』と言いました。それでも(山田は)プロに対する気持ちが強かったので、『今度OBのT-岡田(31=オリックス)が練習に来るから、岡田としゃべってみろ』と山田に自主性を持たせるきっかけを作りました。すると、山田は見違えるように練習への取り組み、考え方が劇的に変わった。指導のアプローチの仕方によって高校生はこんな変わるのかと勉強させてもらった」。

生徒個人と真剣に向き合ったことで、チームとしても日本一に輝いた。名将の金言に、受講した指導者の1人は「実績のある人の話は信ぴょう性がある」と、深くうなずいていた。【佐藤究】