昨夏の甲子園出場校・日本文理が6-2で村上桜ケ丘を破って決勝進出を決めた。4-2の7回裏1死一、三塁で4番大矢怜中堅手(3年)が右翼線に2点適時三塁打を放ち、相手を突き放した。中越は上越に7-0の7回コールド勝ち。1回裏1死一塁から主将の3番広瀬航大二塁手(3年)が右翼へ2試合連続となる先制2点本塁打。主砲がチームを勢いづけた。両校は6日、ハードオフ新潟で対戦する。

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豪快な一撃が、初回の大量5得点の幕開けとなった。1回裏1死一塁。広瀬がフルスイングした打球が右翼観客席に飛び込む。3日の準々決勝・新潟県央工戦に続く2試合連続本塁打。この先制本塁打が導火線となり、2-0で迎えた1死二、三塁で渡辺恵多遊撃手(2年)の左翼への3点本塁打を誘発した。

価値ある2試合連続の1発。本田仁哉監督(43)は準々決勝後に「広瀬の1本が勝負をつけた」と評価していたが、この試合後も「初回の広瀬と渡辺恵の2本は(チーム)を勇気づける2本だった」とほめた。広瀬は「打った瞬間、ライトは越えると思った。しっかり安打を狙った結果が本塁打になって良かった」と振り返った。

1年夏の18年準決勝(対新潟産大付、3○2)でも、広瀬は勝負を決める長打を放っていた。2-2の6回2死一、二塁で勝ち越しとなる右翼線二塁打を放った。1年生ながら主力で活躍。甲子園も7番・二塁で先発し、初戦の慶応(神奈川、2●3)戦では2安打した。3年生として「何としても甲子園に出場して日本一になりたい」という思いはこのコロナ禍で消えたが、県の頂点を目指す気持ちは全く衰えていない。決勝の相手は、夏の決勝で6回目の対戦となる日本文理。広瀬は「おそらく投手戦になる。少ないチャンスにヒットを1本打ちたい」と2年ぶりの優勝を見据えた。【涌井幹雄】