帯広三条が昨夏まで2年連続甲子園出場の旭川大高に競り勝ち、8強に進出した。

5番棚田駿斗捕手が初回1死二、三塁から先制の中前2点適時打を放つなど、3安打2打点。守備でも2投手を好リードし、夏の道大会としては13年以来の1勝を引き寄せた。「初回のチャンスで打てたので、以降もしっかりバットを振れた」と笑顔で話した。

前夜は寝床に入ってから約2時間、眠りにつけなかった。旭川大高には地区開幕前の練習試合で5-9で敗れており「強い相手だし、どうリードしたらいいか、どうしたら勝てるか考えすぎて寝られなかった」。通常8時間の睡眠を取るが、5時間しか寝られず、寝不足で出陣。「不思議と頭がさえた。配球もうまく低めに集められて、内野ゴロを打たせることができた」と意外な効果を口にした。

父尚充さん(45)は帯広北の外野手として、高2の夏に北大会4強に進出。現在も六花亭軟式野球部の現役選手として昨夏、甲子園に出場した前北照エースの桃枝丈投手(18)らとともに汗を流す。この日、スタンドで息子の活躍を見守った父は、同じ選手として「あっぱれ。私も刺激を受けた」と目を細めた。

大会前に尚充さんから「悪いときは背中が丸くなる。気をつけろ」と助言を受けており、その効果もあった。棚田は「次も勝ち、父の上を目指す」。ひとつでも多く勝ち上がる姿を見せ、父に恩返しする。【永野高輔】

▽帯広三条の山本浩介監督(51) それぞれが持っているものをしっかり出してくれた。棚田はいいところで打ってくれたし、2年生の田辺を始め、うまくリードしてくれた。