日本高野連は9日、来春の第95回選抜高校野球大会(23年3月18日開幕、甲子園)の21世紀枠の地区候補9校を発表した。関東・東京からは石橋(栃木)が選ばれた。創立98年の進学校。少ない練習時間を効果的に使う文武両道と、野球教室の実施など地域貢献も評価された。16、20年に続く地区代表となり“三度目の正直”で初の甲子園出場なるか。来年1月27日の選考会で、9校のうち3校(東日本と西日本から各1校、地域限定なし1校)が甲子園の出場権を得る。

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3度目の21世紀枠候補の選出は予想外だった。石橋・福田博之監督(57)は「過去2回と違って関東大会に出ていないので無理だなと話していました。驚きの半面、うれしいです」と目を細めた。同校は国公立大135人合格の進学校。平日は2時間弱の練習、さらに左翼90メートル、右翼60メートルで他部とグラウンドを共有している。限られた環境の中でも今秋の県大会では4強入り、最近6年間で関東大会2度出場と継続的に結果を残し続けてきた。

力を入れている野球教室には、コロナ禍でも人数を制限して実施し、毎年市内の学童野球チームから約120人が集まる。同校野球部が技術指導をするだけではなく、NPO法人「医療サポート栃木」と連携し、肩や肘のメディカルチェックも行い「健康に野球できる体作り」を目標に掲げている。

主将の横松誠也(ともや)捕手(2年)も小学生時代に参加し「高校生ってすごいな、自分たちもこうなれるのか」と期待に胸を弾ませた少年の1人だ。「私立には絶対に負けたくない、誰が相手でも自分たちの野球が出来て、名前負けしないようなチームを作りたい」とひと冬を乗り越え成長した姿で、センバツ切符の吉報を待つことを誓った。【星夏穂】