前橋商(群馬)の「よしぎゅうの神様」がチームを窮地から救った。東農大二との初戦。1回戦屈指の好カードだ。高崎市城南野球場は超満員。張り詰めた空気の中、いきなり1回に3点を先制された。差を2点に縮め迎えた4回無死、主将で4番の真藤允宗(まさむね)内野手(3年)が打席へ。「焦りはなかった。ホームランは少し狙った」と1ボールからの2球目を振り抜くと打球は左翼の芝生席へ。勢いに乗ったチームは5回までに13得点。真藤は5回にも適時打を放ち、主将のバットを足掛かりに劣勢からコールド勝ちだ。

試合当日の朝は欠かせない験担ぎがある。それは「朝に吉野家の牛丼を食べること」だ。前橋商OBの兄龍之介さん(23)から、「当時の主将が朝に牛丼を食べて良い結果を出していた」と聞かされ、今春から始めた。だが好物は“牛丼”よりも“チーズ牛丼”だ。試合当日は群馬県渋川市の自宅から父将貴さん(48)の運転する車で学校へ。ドライブスルーで購入したチーズ牛丼を車内でかき込む。「朝なので大盛りじゃなくて並盛りです」と腹八分目も忘れない。

将貴さんも前橋商OB。「私も運転が終われば牛丼です。身がぎゅ~(牛)っと引き締まります。允宗にはチーズのように粘り強いプレーを」と力が入る。愛息の大活躍には「最高です」と満面の笑みだ。甲子園まであと5勝。「よしぎゅうの神様」は最低でもあと5杯、さらには6杯目の牛丼も平らげる。【黒須亮】