花巻東(岩手)の「怪物くん」が愉快痛快だ。赤間史弥外野手(3年)が、走っては4盗塁、打っては先制打、さらに投げては好救援。岡山学芸館を退け、3年ぶりの3回戦にチームを導いた。
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土、汗が染みついたユニホームが勝利の勲章だった。打って、走って、投げて-。花巻東の“怪物くん”こと赤間が、自身4度目の甲子園でスタンドの視線を独占する大車輪の活躍ぶり。試合後のお立ち台。顔は紅潮し、額からは充実の汗が噴き出していた。
「結構、疲れました(苦笑い)。練習の成果を発揮し、勝ち切ることができて良かったです」
意表を突き、試合を決定づける足技を見せた。三塁走者だった7回1死二、三塁の場面。6番久保村の4球目だ。「エンドラン」のサインを確認。相手投手の始動と同時に勢いよく地面を蹴った。低めスライダーに打者は空振りも「迷いはなかったです。いけると思って」。捕手がボールを横にはじいたのも見逃さなかった。180センチ、98キロの巨体を揺らす。身のこなしは軽やか。最後はホームへ悠々と滑り込んだ。記録は本盗。鮮やかな生還に一塁側アルプスはメガホンの紫が揺れた。
直前は初回に続いてこの日2個目の三盗を決めた。四球で出塁した3回は二盗。そしてホームスチールで1試合4盗塁をマークした。佐々木監督は「選手たちが積極的にやってくれた。(7回は)大きい4点目になりました」と最敬礼だ。赤間は「打つこと以外でも点は取れる。練習から盗塁意識は高く持っていた」。打線は水ものも、機動力にスランプなどない。この日チーム7盗塁。積極走塁で接戦勝負をものにした。
打っては3番で初回1死二塁から先制の適時二塁打。真ん中高めの直球を豪快に振り抜き、打球は一瞬にして左翼手の頭上を越えた。7回は内野安打を記録し、2安打1打点。投げては7回1死一、三塁から登板し、2回2/3を2安打1失点の好救援だ。投打でも存在感は際立っていた。
夏3年ぶりの16強入りを決めたが、目標はあくまでも悲願の初優勝だ。「一戦必勝でやっていきたい」と赤間。ドジャース大谷翔平、エンゼルス菊池雄星投手らも成し遂げられなかった頂点へこのまま突っ走る。【佐藤究】
◆赤間史弥(あかま・ふみや)2008年(平20)7月25日生まれ、岩手県盛岡市出身。小学3年から上田バンビーズ(硬式)で野球を始め、黒石野中では盛岡北シニアに所属。高校では1年春に初ベンチ入り。180センチ、98キロ。がっちりとした体格から「怪物くん」と呼ばれる。高校通算47本塁打(うち公式戦8本)。50メートル走6秒2。遠投95メートル。左投げ右打ち。
◆無失策試合 花巻東-岡山学芸館戦で記録。今大会4度目。
【甲子園データ】東北勢では80年ぶり!花巻東・赤間史弥が1試合4盗塁 大会記録は5個

