台湾で開催中の「第14回BFA U18アジア野球選手権」では、日本など8カ国がアジアの頂点を争い熱戦を繰り広げている。このうち1次グループA組のシンガポールとB組のスリランカには、日本人の指導者がいる。どんなきっかけがあって、国を代表して戦う選手たちをサポートすることになったのかを聞いた。【平山連】

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今大会が初参加となるシンガポール代表のコーチには、かつて独立リーグBC福島などでプレーした内野手の菊名裕貴氏(31)がいる。「シンガポールにとっては歴史のスタート。もちろんそこは勝ち負けがつきますけれども、選手たちにはシンガポール野球が始まったという足跡を残せるような戦いを見せてほしい」と期待を寄せている。

現役時代の活躍が華々しい。仙台育英(宮城)では上林誠知(中日)、熊谷敬宥(阪神)らと同期に当たり、3年春夏に甲子園出場を果たした。東北福祉大では主将を務め、卒業後は社会人のバイタルネットで2年、BC福島で3年プレー。引退後、BC茨城でコーチを務めた際、チームにシンガポール代表選手がいたことが異国の地へと足を向かわせた。

「現役時代からどんな時でも素直にひたむきに野球に打ち込む彼の姿は、とても印象的でした。シンガポールの野球を発展させたいという情熱に一番動かされましたね」。2年ほど前から現地へ移り住み、仕事のかたわら代表チームのサポートを行う。

国内には野球専用の球場はなく、練習場所はソフトボール場を使って行われる。同世代の練習試合は組めず、さまざまな世代が集う草野球リーグに所属して実力を付ける。今大会に選出されたメンバー18人はいずれもソフトボールからの“移籍組”だ。世代別の強化が始まったのも昨年からで、シンガポールにとって野球はまだまだ黎明(れいめい)期。環境面で困難は多いが、ただ、そこがまた面白い。「みんなどうしたらうまくなるか、勝てるかといっぱい質問してきます。本当に楽しいですよ」とさわやかな笑みを浮かべた。