メジャーリーグの試合が徐々に通常に戻りつつある。アリゾナ州のキャンプでは各球場の収容人数25%までの観客を入れ、野球を楽しむファンの笑顔が見られるようになった。一方で、飲食の時以外はマスク着用が義務づけられ、コロナ禍で制限があることはまだ変わりない。

人々の意識は、どう変化しているのか。アリゾナ州テンピでエンゼルスの試合を観戦していた50代の夫婦は、シーズン開幕へ「準備OKだよ。すごく楽しみだね」と心を躍らせていた。エ軍の本拠地アナハイム周辺に住んでおり、年間シートの購入者だという。コロナ禍での観戦について怖さは「ないよ。ワクチンを打った。もし打っていなかったとしても、(観戦は)外だから。きれいな空気の中で見られる」と話し、心配していないようだった。

米国ではワクチン接種が早くに開始され、感染予防が進んでいる。米疾病対策センター(CDC)のデータによれば、3月22日時点で人口の24・9%、約4分の1にあたる8277万人が少なくとも1度、ワクチンを接種。65歳以上や医療従事者などエッセンシャルワーカーらが優先され、段階を踏んで順々に受けられるようになるという。

MLBではワクチン接種は個人の判断となっているが、エンゼルスでは67歳のマドン監督、アストロズでは71歳のベーカー監督が1度ワクチンを接種したことを公表した。また、エ軍は4月1日の開幕戦から観客を動員することを発表。州の規定に従い、球場の収容20%から33%、67%と収容率を上げていく予定だ。

感染予防が進み、不安が少なくなる一方で、心配を寄せる声もある。米国南部テキサス州に本拠地があるレンジャーズは開幕戦で収容100%の観客を入れることを発表。アリゾナ州テンピでオープン戦を観戦したファンの4人グループは「州によって違うからね。ただ、少し配慮に欠けると思う」と話し、注意深くするべきとの考えを示した。

無観客でレギュラーシーズンを終えた昨年に比べれば、大きな進歩と言える。だが、極端に変えることについては注意が必要だろう。時間をかけてでも、まずは安全第一で、純粋に野球を楽しめる時が戻ってくることを切に願う。【MLB担当=斎藤庸裕】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)