3月開催のWBC開幕が迫ってきました。侍ジャパンにとって、1次ラウンドB組で最大の強敵は韓国でしょう。WBCで通算の対戦成績は3勝3敗。第1回は準決勝で、第2回は決勝でともに死闘を繰り広げたライバルですが、直近は2大会連続で1次ラウンド敗退。国際大会で鳴りを潜めており、今回も日本と比べると、戦力的に分が悪いという評価になっています。
とは言っても、過去の大会と違って、今回は現役大リーガー2人が参戦します。この2人が目標のベスト4進出のためにも、キーマンになりそうです。
まずは、カージナルスのトミー・エドマン内野手(27)です。米国人の父と韓国人の母を持ち、海外生まれの韓国系選手として初の代表入り。特筆すべきは、メジャーで最高の守備力を誇るカージナルスのレギュラーとして、2021年に二塁でゴールドグラブ賞を受賞した名手です。
もう1人は、パドレスの金河成内野手(27)です。メジャー1年目の21年はユーティリティー内野手として起用されましたが、昨年は若手スターのフェルナンド・タティス遊撃手(24)が、左手首の手術と薬物規定違反で全休したため、本職の遊撃で131試合に出場。ゴールドグラブ賞の遊撃部門で最終候補3人にも選ばれました。
今回、韓国代表ではエドマンが二塁、金がショートに入ります。米国や中南米勢を差し置いて、今大会NO・1の二遊間コンビという高い評価も受けています。その2人を中心に、韓国球界NO・1捕手と称される梁義智(斗山)らを擁するセンターラインが、最大の長所と言えます。
先発投手陣は“日本キラー”でもおなじみの元カージナルス左腕・金広鉉(34)をはじめ、ゴロに打ち取るタイプを多くそろえています。また、先発投手10人中5人が左投手という顔ぶれ。日本のレギュラー候補、特に予想される上位打線にはエンゼルス大谷翔平(28)、ヤクルト村上宗隆内野手(23)、レッドソックス吉田正尚外野手(29)、カージナルスのラーズ・ヌートバー(25)ら左打者が多いです。日本にとっても、攻略は簡単ではないでしょう。
一方、攻撃陣に目を転ずると、エドマンは打撃も素晴らしく、21年はカージナルスで主に1番打者として活躍。ナ・リーグ2位の41二塁打、30盗塁とパワーとスピードを兼ね備え、昨季は得点圏打率3割2分4厘とチャンスにも強いです。特に日本戦では、同じカージナルスで1番打者を争うヌートバーへの対抗意識もあるだけに、誰よりも闘志を燃やして臨んでくるでしょう。
他にも、「韓国のイチロー」と呼ばれ、昨年韓国プロ野球リーグMVPに輝いた李政厚外野手(24=キウム)、16、17年にオリオールズとフィリーズに在籍した主将の金賢洙外野手(35=LG)、16年ツインズで12本塁打を放った朴炳鎬内野手(36=KT)らメジャー経験のある強打者もそろえています。
しかし、日本の強力投手陣から多くの得点は望めないでしょう。過去の大会を振り返っても、2006年第1回大会で日本戦に勝った試合のスコアは3-2と2-1。準決勝で日本に敗れた試合も、6回までスコアは0対0でした。同大会で4強進出をもたらした要因は、7試合で無失策という堅実な守備にあったと思います。
今大会も投手力を中心にエドマン、李らで守り勝つ野球ができれば、日本にとって怖い存在となりそうです。WBCでは14年ぶりとなる「日韓対決」が、2次ラウンド(準々決勝)進出への第1関門となることだけは、間違いないでしょう。(大リーグ研究家・福島良一)(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)




