来年3月の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)まで残り100日という節目に、ドジャース大谷翔平投手が出場することを表明しました。前回大会の2023年は投打二刀流で初出場。投手で2勝0敗1セーブ、打者では打率4割3分5厘、1本塁打、8打点の活躍。特に、世界一を決める米国との決勝で胴上げ投手になりMVPを獲得。今回はどんな起用法になるか、注目を集めています。
本人はオンラインでメディアの合同取材に応じ「投げたパターンと投げないパターン、また投げたパターンとしても何通りか、投げないパターンとしても何通りか、プランは持っておくべきだと思う」と、あらゆる可能性を踏まえて準備する意欲を示しました。
まず気になるのが、開幕へ向けての準備です。大会期間は3月5~17日なので約2週間キャンプ地を離れることになります。大会で最大7試合すべて先発出場すれば打者としての打席数は足りそうですが、やはり気がかりは、投手としての調整方法だと思います。
来年ドジャースは、開幕から先発投手として大谷の起用を考えています。そうなると、2021年エンゼルス時代のようにオープン戦で最低4試合に先発登板し、10イニング以上投げるのが理想です。しかし、オープン戦の調整登板と違い、WBCで打者との真剣勝負は、けがのリスクもあるため避けて欲しいのが実情だと思います。
従って、ドジャースは大谷をWBCへ送り出すにしても、5日から日本で行われる1次ラウンドでなく、13日米フロリダ州マイアミでの準々決勝ラウンドから参加して欲しいのが本音でしょう。そうすれば日本に一時帰国するための体力的負担が軽減されると同時に、1週間程度の離脱で済み、投手の調整もしやすくなるからです。
しかし、実際に侍ジャパンで途中合流は難しいかも知れません。なぜなら、過去に米国が大会期間中メンバーを入れ替えたのに対し、日本はチームワークを重んじ、チーム一丸となって戦う姿勢があるからです。そう考えると、前大会で中国戦に先発したときのように、今回も格下相手に調整のつもりで投げて勝てれば一挙両得です。
逆に、もしドジャースが開幕から大谷の先発登板を遅らせるとしたら、WBCで無理して投げさせる必要はなくなり、打者専念でいくと思います。なぜなら、侍ジャパンは世界トップクラスの投手力を誇り、たとえ大谷が投げなくても十分に連覇を狙えるからです。
むしろ、侍ジャパンにとって一番必要なのは攻撃力です。そういう意味でも抜群のパワーとスピードを兼ね備えた大谷は必要不可欠な存在であり、今年ドジャースの試合を見てもわかるとおり、多くの得点を挙げることができます。また、打者に専念すればスピードも生かせるかも知れません。
それでも、もしWBCに投打二刀流で臨み順調に調整が進めば、準々決勝ラウンド以降も先発、あるいはリリーフ登板があるかも知れません。そうなれば、前大会決勝で大谷対マイク・トラウト(エンゼルス)のように、今回はアーロン・ジャッジ(ヤンキース)との歴史的対決が実現するかも知れません。
はたして、WBCで大谷がいつ、どのように起用されるのか、今後の成り行きを注目し、楽しみに待ちたいと思います。
【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)




