ドジャース大谷翔平投手(31)が、マウンドで絶好調です。今季7戦全てクオリティースタート(投球回6以上、自責点3以下)で、両リーグトップの防御率0.82と安定感抜群の投球を続けています。

開幕7試合の先発を終えた時点で、2021年ジェーコブ・デグロム(当時メッツ、現レンジャーズ)の防御率0.80以来という好成績をマーク。ドジャースでは1981年に開幕8連勝で全米に大旋風を巻き起こした“メキシコの怪童”フェルナンド・バレンズエラの防御率0.29以来という成績に驚かされます。

それによって日本人初、また投打二刀流で史上初となるサイ・ヤング賞の期待も登板ごとに膨らみますが、ここに来てナ・リーグの同賞争いがヒートアップしてきました。パイレーツのポール・スキーンズ、ブルワーズのジェーコブ・ミジオロウスキー両投手が、大谷に勝るとも劣らない快投を演じているからです。

昨年メジャー2年目で初のサイ・ヤング賞に輝いたスキーンズは、開幕戦でまさか初回5失点。最初の打者7人と対した時点で最悪の防御率135.00でしたが、その後、驚異の防御率1.09と挽回(ばんかい)。特に、最近は5月6日のダイヤモンドバックス戦で5回途中までパーフェクト、同12日のロッキーズ戦も7回途中までノーヒッターと圧巻の投球を見せています。

その結果、今季は同12日の時点でリーグ2位タイの6勝2敗、同5位の防御率1.98をマーク。また、1回あたりに許した走者を示すWHIPは、驚異の両リーグトップとなる0.64をマーク。他にもリーグ1位の被打率1割4分5厘など、投手の「本当の安定感」を測る数値で最高の評価を得ています。

一方、昨年6月に彗星(すいせい)のごとくデビューし、わずか5先発ながら初のオールスターに選出されたミジオロウスキーは、自慢の剛速球が時速100マイル(約161キロ)以上を連発。2008年メジャーがトラッキングシステムを導入して以降、5月13日時点で先発投手による100マイル超えの球数が早くも歴代3位の233球に達しました。

特に、直近4試合で100マイル超えの速球は163球をマーク。5月8日のメッツ戦では最速103.6マイル(約166.7キロ)をはじめ、何と平均で101.1マイル(約162.7キロ)を計測。同13日のパドレス戦も100マイル以上が49球もあり、過去にこれほど1試合で多くの速球を投げたピッチャーはいません。

同13日に先発した時点で両リーグトップの80三振を奪い、先発投手では驚異の奪三振率14.12をマーク。現代の野球界において、これほど剛速球でゲームを支配できる投手は見当たらず、一躍サイ・ヤング賞候補に名乗りを上げました。

しかし、パドレスの剛腕メーソン・ミラーも忘れてはなりません。ナ・リーグ西地区でドジャースと激しく首位争いをするチーム躍進の原動力は、間違いなく絶対的クローザーのミラーであり、米メディアから救援投手でサイ・ヤング賞とMVPを同時受賞か? という声も上がるほど高い評価を受けています。

とにかく、今年はナ・リーグに強烈なインパクトを与える投手が目白押しで、早くも「史上最高のサイ・ヤング賞争いか?」と話題になっています。中でも、先発の大谷はじめ、スキーンズ、ミジオロウスキーという3人からは目が離せません。

【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)

ポール・スキーンズ(2025年9月撮影)
ポール・スキーンズ(2025年9月撮影)
ブルワーズのミジオロウスキー(2025年7月撮影)
ブルワーズのミジオロウスキー(2025年7月撮影)