今シーズン、MLBではピッチクロックの導入やベースの大型化、シフト規制などいくつのルール変更が行われるが、ユニホームにも変化が現れることになる。史上初めて袖口に広告パッチを掲示することが解禁されたのだ。

これは1年前に締結された労使協定で定められたもの。リーグのガイドラインでは、契約期間は最低3年と規定され、蒸留酒、ビール、タバコ、武器、政治、大麻、スポーツベッティング、カジノなどの企業や、リーグのオンフィールド提供パートナーからの広告を禁じています。また、リーグに公式アパレルを提供しているナイキやファナティクスと競合する企業も禁止されている。大きさは4インチ、約10センチ四方までとされ、左右どちらの袖につけてもかまわない。

最初にパッチ契約を結んだのはパドレスで、昨年4月に通信機器大手モトローラと1シーズン約900万ドルで契約している。11月にはレッドソックスが保険会社のマスミューチュアルと10年1億7000万ドルで契約。その後レッズが食料品店チェーンのクローガーと年間500万ドル相当で、ダイヤモンドバックスがハイテク企業のアヴネットと契約している。今月4日にはエンゼルスが建設資材販売業のFBMと契約したと発表した。

マーケティングの専門家によれば、MLBのユニフォームパッチ広告の取引額は小規模な市場のチームで1年数百万ドル、大規模な市場のチームの場合最大2500万ドル以上になる見込みだという。これはスタジアムの命名権、ネーミングライツ契約に匹敵するものであり、それだけ価値があると認識されているのである。

にもかかわらず現状、契約のペースは遅い。開幕日までに契約に至るチームは10~15チームにとどまるのではないかという見方もある。このスローペースの要因はまずアメリカの不況への懸念が大きいようだ。物価高が進行しており、大型の広告契約をためらわせる状況になっているというのである。

もう1つ指摘されているのは、アメリカのプロスポーツにおける広告掲示場所の供給過剰だ。アメリカではユニフォームを神聖視する傾向があり、サッカーなどと比べユニフォームの広告掲示が遅れていた。が、近年は貴重な収入源として一挙に解禁されつつあるのだ。プロバスケットボールNBAのジャージーやプロアイスホッケーNHLのヘルメットなどで既に広告が解禁されている。

どのチームにどんな企業の広告がつくのか、つかないのかにも注目していきたい。