ヤンキース田中将大投手(28)が25日、楽天の新入団選手に「プロ論」の座学を行った。毎年1月に仙台を訪れる際の恒例行事。質問に答える形で1コマ1時間の授業を進めた。強調したのは常にポジティブであれ。かわいい後輩に、「しくじらない」自身の経験を惜しみなく伝えた。
楽天卒、世界の名門ヤンキースに在籍中の田中先生が、入学したての新入生に向き合った。質問に答える形で授業が進んだ。生徒たちは聞き漏らすまいと、一生懸命にメモを取った。
ドラ1藤平尚真投手(18=横浜) 1年目はどんな練習をして試合に臨んでいたんですか?
田中先生 1、2年目はガムシャラ。思うようにいかなかった。3年目からコントロールにこだわった。いろんなことを経験して。調子のいい日は、年に数えるほどしかない。それ以外は悪い。プラス思考で、何事も前向きに、成功するイメージを持とう。
ドラ5森原康平投手(25=新日鉄住金広畑) ピンチの時、どういう気持ちでマウンドに?
田中先生 試合の流れをしっかり読んで。「ここで抑えたら盛り上がる、流れが来る」とか、ポジティブに。
訴えたかったのは「気持ち」。座右の銘だ。
逸話がある。9年前の1月。新人合同自主トレ中の座学で「9回2死満塁、フルカウント。どんな気持ちになる?」との問いが出た。「ピンチだな」「何とか乗り切らないと」と答える新人の中で、1人だけ「ラッキーです。ここを抑えたらヒーロー」と答えた新人がいた。
当時から持っていた気持ちの強さ。プロの世界でもまれながら磨き上げ、9年後の後輩たちに伝えた。藤平は「自分を見つめ直せる、大きな経験。成功のイメージを作る」。森原は「刺激をもらった。イーグルスに入って良かった。特権です」と言った。「どう聞こえたか分からない。いい話かどうかは、彼らに聞いてみて下さい。経験から『僕はこうだった』とか、伝えただけなので」と田中。楽天の1年生にとって、最高の冬季集中講座だ。【宮下敬至】



