ヤンキース田中将大投手(28)が6回を2失点と好投したが黒星を喫し、4戦先勝のシリーズ初戦を落とした。

 アストロズの強力打線を相手に、立ち上がりは順調だった。1回先頭のスプリンガーに四球を与えたものの、3回までは無安打に抑え、相手エース左腕カイケルと互角の投げ合いだった。

 4回は先頭の2番レディックを三ゴロに打ち取った後、3番アルテューベにこの日の初安打となる二塁内野安打を許した。さらに盗塁を許し、1死二塁で4番コレアに適時左前打、さらに2死二塁で元DeNAの6番グリエルに適時中前打を浴びた。5回から立て直したが、6回先頭のレディックから強いライナーを左太もも内側に受け、ひやりとする場面もあった。

 6回まで89球を投げ4安打、1四球、2失点(自責2)、3三振だった。リーグ優勝決定シリーズで6回以上を投げ2失点以下に抑えたのは、ヤンキースでは09年のエンゼルスとのシリーズ第2戦のA・J・バーネット以来だった。

 チームは打線が先発左腕カイケルに7回を4安打無失点と抑えられ、9回にバードのソロで1点を返すのが精いっぱいだった。リーグ優勝決定シリーズが7試合制になった1985年以降、同シリーズの初戦を落としたチームが勝ち進む確率は42%だが、最近17シーズンのア・リーグ優勝決定シリーズでは、初戦を落とした8チームが勝ち進んでいる。

 田中は「勝てなかったことが残念ですし、自分が点を取られたからこういうことになってると思うので。何とかゲームは作れたと思いますけど、でもやっぱり、作ることよりもやっぱり、勝つことが一番なので」と悔しそうな表情だった。