4試合連続弾はならなかった。エンゼルス大谷翔平投手(23)が、レンジャーズ戦の9回に代打で登場し、二ゴロに倒れた。6日(同7日)のアスレチックス戦で松井秀喜に並ぶ3試合連続本塁打を放ち、日本人メジャー初の4試合連続本塁打のかかる打席だったが、大記録はお預けとなった。また、次戦の先発は中6日で15日(同16日)のロイヤルズ戦に決定。雪の予報も出ている中、3度目のマウンドに立つ。

 最後の最後に出番が回ってきた。大谷が10点リードの9回2死、走者なしで代打起用された。渡米後では初めての代打。大差のため敵地スタンドの観客はまばらだったが「代打大谷」のアナウンスに拍手と歓声が送られた。相手はメジャー最年長右腕の44歳コローン。手元で動くツーシームを操るベテランの2球目をスイング。沈むボールにやや芯を外された二ゴロに終わり、松井超えの連続本塁打記録はならなかった。

 前夜、地元テレビでは「大谷は今週、アーリントンにいる」とのニュースを流した。どこで試合に出るのかリポートするほど、敵地でも注目されていたが、首脳陣の考えは冷静だった。ソーシア監督は「代打で使うこともある。そういう時のために試して、慣れさせるために使った」と意図を説明。登板2日前など、投手への準備に専念させたい状況も出てくる。今後を想定した起用方法を貫いた。11日(日本時間12日)についてはDHでスタメン出場する。

 メジャー3度目となる次回先発が15日(同16日)、敵地カンザスシティーでのロイヤルズ戦に決まった。当日の現地は雪の予報も出ており、最低気温氷点下2度。大谷にとっては相手打線に加え、厳しい気候との戦いにもなる。加えて、10連戦と長いロードの最終戦でもある。長距離移動や連戦、天候…。未知なる経験ばかりだが、すべてを糧にしてスターの道を歩み続ける。【斎藤庸裕】

 ◆大谷の寒冷地登板 日本ハム時代の大谷が投げた屋外球場での公式戦で、試合開始時に気温10度を下回っていたのは1試合しかない。14年4月20日、楽天戦(コボスタ宮城)で8・9度だった。先発した大谷は6回1/3を投げて8安打2失点(自責は0)5奪三振で勝ち投手となった。次に寒かったのは16年4月10日の楽天戦(コボスタ宮城)で12・3度。8回を1失点で完投したものの負け投手となった。オープン戦を含めると、14年3月8日、阪神戦(甲子園)の8・2度がある。