【スコッツデール(米アリゾナ州)11日(日本時間12日)=四竈衛、斎藤庸裕】今オフ、西武からFAでメジャー移籍を目指す秋山翔吾外野手(31)の争奪戦がスタートした。GM(ゼネラルマネジャー)会議が開幕し、カブスとダイヤモンドバックスが最有力候補に挙げられていることが分かった。ともに「1番中堅」の獲得を最優先課題としており、この2強をマリナーズ、パドレス、ロイヤルズなどが追う様相を呈してきた。

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日本を代表する1番打者の周囲が、一気に慌ただしくなってきた。実質的なストーブリーグが開幕したこの日、複数の関係者の話を総合すると、秋山獲得に狙いを定め、すでに先陣を切った2球団が判明した。

まずは、16年以来の世界一を目指すカブス。プレーオフ進出を逃した今季は、1番不在が元凶だった。本来は得点源の大砲シュワバーが1番として最多の56試合に出場したのをはじめ、計11人を起用。それでも、1番の通算打率は2割1分2厘、出塁率2割9分4厘と、いずれも投手の9番に次ぐ低い数字に終わった。ヘイワード、アルモラら中堅手の成績にしても、打率2割3分2厘。関係者によると、秋山については「シーズン中の早い段階から、オフにFA移籍の可能性大」と判断し、水面下で着々と下準備を進めてきた。

一方のダイヤモンドバックスは、今季、主に1番中堅を務めたダイソンがFAで退団。内野と中堅で併用され、自己最多の32本塁打とブレークしたマルテが、来季は本職の内野に復帰する方針を固めており、1番中堅の補強を最優先事項として、秋山の徹底マークを続けてきた。カ軍にはダルビッシュが所属、ダ軍もFA平野が残留すれば、秋山にとって頼りになる先輩となることも、両球団の大きなプラス材料となる。

この2強を追うのが、チーム再建を進めるマリナーズ、左打ちの外野手獲得を視野に入れるパドレス、チームの顔の外野手ゴードンがFAとなったロイヤルズ。いずれも現有戦力をトレードで放出するなどのプランと同時進行すれば、急浮上する可能性はある。

本塁打全盛時代の中、正確なミート力、秀逸な守備力、走力を持つ秋山タイプの巧打者を必要とするチームが、カ軍とダ軍。この両チームが先頭を並走する形で、秋山争奪戦が進むことになりそうだ。