【アナハイム(米カリフォルニア州)1日(日本時間2日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(28)が、前日6月30日に放った自己最長の150メートル弾は、どう見えたのか。最も近くにいたダイヤモンドバックスのカーソン・ケリー捕手(28)が驚きの事実を明かした。メジャー8年目で通算424試合に出場している経験豊富な捕手が初体験した現象とは…。ボールとバットの強烈なインパクトの瞬間に潜入した。
◇ ◇ ◇
大谷の打球は、速すぎて消えていた。今季30号は打球速度115・1マイル(約185キロ)、角度29度、飛距離493フィート(約150メートル)の超特大弾だった。打たれたダ軍の左腕ヘンリーが「大きな音がした」と振り返ったインパクトの瞬間。最も近くでスイングを見て、打球音を聞いた捕手ケリーは思わぬ体験をしていた。
「スイングの後、僕は打球を見失った。その後、見つけたんだけど、その時にはほとんどもう(右翼)スタンドまで行っていたよ」
打者から最も近い位置に座り、打球の行方は見やすいはず。だが、大谷の打球は一瞬、消えた。メジャー経験豊富な捕手でも、打球を見失うことはあるのか。ケリーは首を振った。「あんな打球は初めて。僕が見てきた本塁打の中でも、最も素晴らしかった」。データ解析システム「スタットキャスト」が導入された15年以降でエンゼルスタジアム最長、今季のMLB全選手の中でも最長の1発は、やはりものすごかった。
驚きは視覚だけではない。聴覚も刺激した。球場に鳴り響いた甲高い打球音。ヘンリーと同様にケリーも「すごく大きな音だった」と明かした。具体的にはどんな音だったのか。「大砲のような感じ。爆発音というか、ガンショット(銃撃音)みたい。すごく印象的だった」。バックネット裏後方の3階、記者席からでも大きな音は聞こえたが、最も近い位置で体験したバットとボールの衝突は、すさまじかったに違いない。
超速で消えた打球、大砲や銃撃のような衝撃音…。打った瞬間、誰もがホームランと確信した特大アーチ。その裏で、思いも寄らない出来事が起きていた。



