【ボルティモア(米メリーランド州)6日(日本時間7日)=四竈衛】ドジャース山本由伸投手(27)がオリオールズ戦に先発し、ノーヒッターまで「あと1死」の快投を演じた。9回2死から1番ジャクソン・ホリデー内野手(21)にソロ本塁打を浴び、9回途中10奪三振1失点で降板。リリーフ陣が2点のリードを守れず、悪夢の逆転サヨナラ負けで、ド軍は5連敗を喫した。

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マウンド付近に広がったねぎらいの輪が、エース山本に対するリスペクトの表れだった。快記録まで「あと1死」、届かなかった。それでもベッツはグラブをたたきながら近づき、フリーマンら内野陣がハグで快投をたたえた。交代を告げたロバーツ監督は、山本を正面から抱きしめ、耳元で言った。「ファンタスティックだった」。ダッグアウトへ向かう山本は「悔しかった。でも最後は僕が選んだ球」と潔く振り返った。満員の敵地で沸き起こった敵味方を問わないスタンディングオベーションこそ、112球への称賛だった。

力と技だけでなく、心の強さも凝縮されたマウンドだった。夕刻からの気まぐれな雷雨に加え、この日はオ軍のレジェンドでもあるカル・リプケン氏の「2131試合連続出場」を記念するイベント日だった。試合前のセレモニーだけでなく、5回表終了後にも数分間にわたって試合が中断されるなど、不規則な展開の中でも集中力を維持した。

しかも、相次ぐ故障禍の影響で捕手ロートベットとは初コンビ。状況に応じて自ら「ピッチコム」でサインを出すなど、通常のテンポとも異なった。「しっかりコミュニケーションを取って、腕を振って投げていけた」。終盤は球威が衰えるどころか、9回に最速158キロをマーク。メジャーでは小柄な身長178センチの体で、若き強打者が居並ぶオ軍打線をねじ伏せた。

メジャー2年目の今季は、常に先頭を走ってきた。春季キャンプのライブBPに始まり、オープン戦、公式戦とすべて「開幕投手」を務めてきた。だからこそ、自らの快記録を逃した以上に、悪夢のサヨナラ負けを喫したチームの空気に目を向けた。最高の投球をしても、連敗ストッパーにはなれなかった。「やっぱりチームが勝つのがうれしい、それがみんなの目指していること。今日は勝てたら最高でしたけど…。またこういう投球ができるように頑張りたい」。胸中のもどかしさをのみ込むかのように、山本は視線を上げた。

 

▼山本が毎回奪三振。日本人投手では野茂(ドジャース)が95年6月24日ジャイアンツ戦、96年4月13日マーリンズ戦、伊良部(ヤンキース)が99年7月30日レッドソックス戦でマークして以来、26年ぶり3人目(4度目)。山本はオリックス時代に毎回奪三振が1度あり、初完投初完封した19年6月28日西武戦で記録した。

ドジャース、まさかの逆転サヨナラ負けで5連敗 山本由伸9回2死から被弾しノーノー逃す/詳細