【ボルティモア(米メリーランド州)7日(日本時間8日)=四竈衛】ドジャースが、投打の両輪の活躍で、ようやく白星をつかんだ。オリオールズ戦に「1番DH」で出場した大谷翔平投手(31)が、米国初対決となったオ軍菅野智之投手(35)から、先制の47号&48号と2打席連続アーチを放って主導権を握った。投げては、レジェンド左腕クレイトン・カーショー投手(37)が6回途中まで2失点と踏ん張り、連敗を5で止めた。
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チーム内に漂う、重苦しい空気を、大谷が強烈な打球音で振り払った。初回。試合開始後、1分足らずの2球目だった。オ軍菅野が外角高めへ狙った時速152キロのシンカーを、フルスイングでバックスクリーン右へたたき込んだ。通算24本目、球団記録に並ぶ年間12本目の先頭打者弾が、どん底まで沈んでいたド軍ナインを笑顔に変えた。
「翔平の本塁打で試合がスタートしたのは大きかった。ダッグアウトが生き返ったのが見えただろう」。ロバーツ監督の言葉通り、敵地がどよめく先手の1発で流れはつかんだ。3回にも、大谷は時速153キロの内角速球をほぼ同じ場所へ、2打席連続で運んだ。マウンド上の菅野が振り返らないほど、完璧な弾道だった。2番ベッツも左翼席へ2者連続アーチで続き、完全に主導権を引き寄せた。
どんなわずかなことであれ、変化へのキッカケが必要だった。敵地でパイレーツに3連敗した後に乗り込んだ同地でも苦戦は続いた。5日に続き、前夜は9回2死までノーヒッターを続けた山本の快投も報われず、2夜連続でサヨナラ負け。いずれも地区最下位の下位球団相手に5連敗と、前年世界一の風格は完全に消えうせていた。
前夜、ロバーツ監督は「明日は新たな1日」と切り替えを強調したが、この日の試合前も、クラブハウス内は依然として悪夢を引きずったかのように、静まりかえっていた。だが「切り替えの達人」大谷は日常を取り戻していた。グラウンドへ出ると、2夜連続サヨナラ打を浴びた左腕スコットに何げなく近寄り、ジョーク交じりに声をかけてキャッチボールへ向かった。左翼席近くでは、少年ファンに快くサインをするなど、いつもの「翔平スマイル」で試合に備えた。
大谷の2連発を起点に、とりあえず「負の連鎖」は断ち切った。連敗を止めたロバーツ監督は、気持ちを引き締めるかのように言った。「我々はパニックにならない。この部屋にはまだ十分に自信が満ちている。もちろん、翔平やベッツがやってくれれば助かるけどね」。残り19試合で2位パドレスとは「1差」。いよいよピリピリする戦いが、差し迫ってきた。
▼ドジャース大谷が今季12本目、通算24本目の先頭打者本塁打。先頭打者アーチは23年ベッツに並ぶ球団のシーズン最多タイ記録で、メジャー歴代3位タイ(6人)に浮上。24年シュワバー(フィリーズ)の最多15本まで3本差とした。2位は03年13本のソリアーノ(ヤンキース)。3回にも48号を放ち、1試合で複数本塁打は23度目。1番打者としての本塁打は今季43本目で、23年アクーニャ(ブレーブス)の41本を抜いて単独トップとなった。



