妻子持ちルーキーの日本ハム瀬川隼郎投手(28=室蘭シャークス)が、故郷で一歩踏み出した。終盤8回。球場が沸いた。地元札幌出身の左腕が、凱旋(がいせん)登板に臨んだ。「北海道のみなさんに、良いところを見せたいと思っていた」。テンポ良く直球、スライダー、カーブを小気味よく交えた。3人目の松山を3球三振に仕留め1イニングを完全。計12球を投げるたび、ファンが拍手で応えた。「声も自分の力に変えて投げられた」と、火照った心と体に声援が染みていた。
1軍デビューとなった14日DeNAとのオープン戦では、プロ初被弾で1回1失点。「全体的な精度が、まだまだ」と課題を残したが試合後、社会人チーム時代の友人を中心に「見たよ」とメールを受け取った。この日は、スタンドから妻泰葉さんと1歳の長男壮介くんが声援を送っていた。「すごいたくさんの人に応援されていると感じた。良かったです」とパワーがみなぎった。
現状では開幕1軍は当落線上も、宮西が左肘の張りでオープン戦未登板が続き、左腕不足を埋める可能性がある。「1年を通して1軍で活躍出来るよう頑張りたい。今日、1つステップアップ出来たかな」と自信をつかんだ。北の大地で育んできた夢を1万4524人の観衆と分かち合った。道産子ファンの希望を胸に、瀬川は頼もしくプロ人生を歩んでいく。【田中彩友美】



