7連勝! 大野がやった! 中日はヤクルトを退け、10年8月以来5年ぶりの7連勝を飾った。立役者は7安打完封の大野雄大投手(26)。1点を1人で守り抜き、昨年、試合中に強制送還された神宮球場で苦手ヤクルトを撃破した。敵地に場所を移しても白星街道は止まらない。もちろん首位もがっちりとキープした。

 球場を出て、渡り廊下の先にあるクラブハウス。ナインが照明を消して潜んでいた。ヒーローが現れた瞬間「バ~ッ」と明かりをつけるサプライズ。大盛り上がりで投手陣やスタッフが大野を出迎えた。7連勝にまで伸びたチームの雰囲気を物語る一幕だった。

 「1-0の試合で最後まで投げられるのはうれしい。先を考えず、目の前の打者に集中した。こうやって(連勝を)つなげられて、めちゃくちゃうれしい」

 敵地のヒーローインタビューで気後れせず声を張り上げた。かじかみながら3時間耐え抜いた東都のツバメ党も、これだけ見事な投球を見せられたらブーイングする気にもならない。

 雨の中、いつもの半袖をやめて長袖でマウンドに立った。気温は10度ほど。先頭荒木から4球連続の直球で空振り三振を奪い「あれで自信がついた」と加速した。最大のヤマ場は6回2死一、二塁で打者山田。フルカウントから内角を思い切り突き、この日最速の146キロで三ゴロにしとめガッツポーズ。「一番集中していた」と振り返った。

 剛と柔。走りのいい直球を軸に、変化球を生かした。捕手武山は「すべてよかった」。追い込めば、フォークを意識する打者は直球に押され、逆に動くツーシームやフォークで打ち気をそらした。谷繁兼任監督は「みんな直球に押し込まれていた。すかすこともできていた。1球1球に自分の意思が入っていた」。ずっと求め続けた「考える投球」を116球で実践した左腕をほめたたえた。

 1年前の4月、同じ神宮球場。1回5失点で、試合中に名古屋に強制送還され、2軍降格。昨季のヤクルト戦は1勝3敗、防御率6・86。最近2年間は4月に勝てなかったスロースターターが、もろもろの負のデータを吹き飛ばした。2年連続2ケタ男がさらに成長した姿を示した。

 チーム7連勝は10年8月以来5年ぶり。大野は開幕前のチームの低評価に反発してきた1人だ。インタビューの最後、「もっともっと勝って、ずっと首位にい続けましょう!」と心の叫びを上げた。【柏原誠】

 ◆中日の7連勝 10年8月12日横浜戦~同19日巨人戦まで7連勝して以来、5年ぶり。同年、チームは阪神、巨人との接戦を制してリーグ優勝を果たしている。