阪神鳥谷敬内野手(33)の意地が惨敗の戦いに光を与えた。6点ビハインドに空席が目立ち始めた8回2死一塁。快音が響いた直後、ガラリと空いた右翼野間の右にライナーが弾んだ。思い出したような四方八方からの大歓声に、表情ひとつ変えることなく二塁を踏みしめた。
時すでに遅し…だが2番手一岡から放った適時二塁打の感触は確かだった。「2ボールだったので。甘いところに入ってきたのに、体がうまく反応してくれました」。チームの低迷と同じく、直近2試合は自身も8打数無安打。久しぶりの快音は、明日12日からの戦いにもつながるはずだ。
前日9日には珍しい形で試合前練習に臨んだ。ネットに向かって黙々と打ち込むティー打撃。それを、全球右打席で行った。続けざまのフリー打撃でも、まず向かったのは右打席。最初の約20球を右でスイングし、甲子園の外野に鋭いライナーを飛ばし続けた。バランスを意識しての独自練習で微妙な感覚を修正。そのかいあってか、一夜明けると当たりが出た。6回にも左翼に三塁打を放っており、マルチ安打だ。
3連敗の甲子園に残った数少ない光明。2本の長打は球場を満員にした虎党への置きみやげにもなった。【松本航】



