ムダを省いて借金圧縮…。大阪都構想ならぬ対大野トラ構想は果たせなかった。今季3度目の対戦となった天敵左腕に完封され、悔しい敗戦で連勝は3でストップ。阪神は福留を休ませ、2番大和、6番上本、7番新井の新打線で挑んだが、わずか2安打で三塁を踏めなかった。しっかし巨人のポレダに高木勇、広島のジョンソンと、抵抗勢力が多すぎやしないかい?
スコアボードに「大野」の名前が出たら、「0」がズラリと並ぶのも、おなじみの光景になってしまった。足攻めの逆転勝ちから一夜明け、阪神打線がまたも中日の左腕エース相手に急停止した。1点を追う終盤。8回は1死二塁で代打攻勢が実らず、9回も1死二塁で主軸が沈黙。わずか2安打の完敗に和田豊監督(52)も険しい表情を崩さない。
「同じ投手に3度ともやられている。ちょっと同じ投手に何回もやられている傾向がある。そのへんのところだな。チームとして、3回やられている投手が結構いる。我々も恥ずかしいと思わないといけない」
指揮官が猛省する敗戦だった。左腕攻略の策は打った。上り調子の大和を4月14日中日戦以来、今季3度目の2番で起用。ベテラン福留を休ませ、7番右翼に新井を抜てき。上本を6番に置く布陣で臨んだ。
大野の登板日は今季2戦2敗だった。右打者をズラリと並べて、迎え撃つはずだった。「過去2回やられている。そのまま普通にいくわけにいかない」と説明。それでも、序盤から内外角を突く大野の重い速球を何度も打ち損じた。
天敵への刺客は刀折れ、矢尽きた。3打数無安打2三振の大和は「キレがあったし、きれいな真っすぐでもなかった」と話せば、2度の空振り三振を喫した新井も「自分のスイングをできなかった」と振り返る。上本も無安打で、カンフル剤となって、塁上でかき乱すこともできなかった。飛ばし気味の大野は5回以降、制球のばらつきが目立ったが、谷繁兼任監督の老かいなリードに戸惑った。
44歳捕手は打者に内角を意識づけさせる配球が抜群だ。ある球界関係者は「緩急の『急』だけで『緩』に見せてしまうテクニックがすごい」とも言う。この日もタイミング良く内角直球を決められるから、打者も容易に踏み込めない。しかもツーシームなどで打ち気をそらされる。骨抜きにされ、今季4度目の完封負け。1日で4位に転落した。広島ジョンソン、中日バルデス、巨人高木勇とポレダ…。今年は何度も同じ相手にやられている。強敵を乗り越えない限り、上位は見えてこない。【酒井俊作】



