打率1割台の伏兵が、意地のV弾だ。オリックス安達了一内野手(27)が先制となる決勝1号2ラン。6回2死二塁で、日本ハム吉川の低めチェンジアップをたたいて左翼席へ。札幌ドームで自身初の1発は、無敗左腕に土をつける貴重な一撃となった。

 「抜けると思ったけど、まさか入るとは思わなかった。全然打てていないので1点でも取りたいと思っていた。守備の流れで打席に入れたのが良かった」

 5回の守りで二遊間を抜けそうな浅間のゴロに腕を伸ばし、併殺を完成させていた。森脇監督も「安達は攻守にわたって強い姿があった」とたたえた。

 打率は規定打席到達者の中でリーグ最低。得点圏打率も試合前まで1割未満。結果が出ない上に、9日の日本ハム戦では安打性のライナーが二塁ベースに直接当たる不運も…。

 「あのあたりから開き直っていった。それまでは結果が欲しい欲しいとなっていたので」。技術面でも打席ですり足だった左足を上げるように変えると、練習から強い打球が飛んだ。ここ5試合中4試合で安打と上昇の予兆はあった。

 「打率が低いのが嫌で、(個人成績が掲載されている)新聞も見てません」と苦笑いする。それでも2月キャンプでは、日刊スポーツに掲載された阪神マートンの打撃理論の記事を切り取った。「参考にします。いろんなことを試したいので」。オープン戦は3割6分4厘。歯車が回れば、好転する能力は持っている。

 昨年末に挙式し、飛躍したいシーズン。「流れに乗ってどんどん上がっていきたい」。チーム同様、巻き返しを図る。【大池和幸】