オリックスのブランドン・ディクソン投手(30)が「キヨシ神話」を止めた。今季は先発外国人相手に7戦全勝だった中畑DeNAに7回無失点の快投。日本ハム大谷と並ぶ6勝目で、防御率と合わせてリーグ2冠に立った。5月は無傷の4勝。球団外国人投手では19年ぶりの月間MVPの有力候補となった。最下位のチームにあって着実に白星を積み重ねている。

 まるでサッカー選手のような“ナイスパス”だった。ディクソンは4回2死二塁で、バルディリスの強いゴロに足元を襲われた。ところがボールは左の靴に当たり、一塁ベース付近に転がって難を逃れた。

 「運がいいよ。失点しそうな場面で足に当たったしね。わざと(当てた)と言いたいところだけど、そうじゃないよ」

 開幕3連敗後に6連勝はもちろん運だけじゃない。筒香がスタメン不在とはいえ、外国人投手を攻略してきたDeNA強力打線を敵地横浜で抑え込んだ。10奪三振は自己最多タイで今季初。それ以外のアウトはすべてゴロと持ち味を発揮した。ナイターは今季5試合目で初勝利となった。

 投げて、送って、打って、走った。2回の打席で犠牲バントを決めた。4回はたたきつけたゴロが中前へ転がった。来日3年目で初安打。三塁まで進み、糸井の内野安打に好走塁で初得点まで記録した。「ヒットはカージナルスの時以来かな。(走塁は)リトルリーグみたいな気分で昔を思い出したよ」と笑った。

 195センチの長身。「でも両親は175センチくらい。背が高くて良かったことは…。雨が降ったときに、いち早く分かることかな」とアメリカンジョークも交えて語る。先発ツインタワーの一角、バリントンが右肩の張りで登録抹消中。「いい友達なんで寂しい。早く戻ってきて、一緒に戦いたいね」と願っている。

 5月は4勝0敗の防御率0・26。初の月間MVPに大きく近づいた。球団外国人投手の受賞なら96年9月のフレーザー以来19年ぶりとなる。そしてシーズン6勝、防御率1・29ともリーグトップ。タイトルの話題は意に介さないが、チームの5カードぶり勝ち越しにはニッコリ。「去年もここで勝てたし、今年も勝てて良かった」と左翼席の歓声に感謝した。【大池和幸】