直径1・524メートルで勝負を決した。2点リードの5回1死一塁。ヤクルト山田哲人内野手(23)が、一塁側ベンチ前の次打者サークル内で決断した。「ストライクゾーンにきた球は全部振る。打つ方向の意識はない。ゾーンに来た球を引っ張る」。カウント2-1からの4球目、甘く入ったスライダーを見逃さなかった。バットの先端ではあったが、リーグ独走の21号2ランを左翼スタンド最前列に放り込んだ。
山田 僕はネクストバッターズサークルに入るまで頭の中は真っ白。何も考えていません。どれだけ映像や資料を見ても分からないですから。
第1、2打席は凡退していた。初回無死一、三塁ではスライダーに空振り三振。タイミングを完全に外されていた。3回無死一塁ではシュートで詰まらされた。「落ちる変化球、ツーシームとかが頭にあったので、右方向へ打とうという意識があった。その結果、2打席打てていなかった」と試合中に分析した。
小さな円の中で、過去を遮断した。真新しい気持ちで迎えた第3打席。「去年の終わりくらいからそういう形で打席に入って調子がいい感じで打てている。自分の中でも新鮮な気持ちで打てている」と納得顔だった。
迷いなきバットが、チームを今季初の5連勝へ導いた。5月5日以来の貯金を1に戻し、首位の座を守った。山田は「優勝したいんですよ。味わったことのない世界」と口癖のように言う。セ界の頂まで、振り続ける。【栗田尚樹】



