天敵中の天敵、中日の左腕大野に阪神の助っ人コンビが立ち向かった。マウロ・ゴメス内野手(30)が2回に先制の14号ソロをぶっ放せばマット・マートン外野手(33)はコンパクトなスイングで大野から3安打。2人は狩野弾が飛び出した8回にも又吉に連打を浴びせて今成のダメ押し打につなげた。4打数4安打のマートンは打率2割9分6厘と3割目前。ああ頼もしい。
戦う前は阪神が圧倒的不利に思われた。10勝王手の大野と3年間未勝利の秋山。しかも今季、大野には4戦3敗、防御率0・56と抑え込まれていた。そんないやなムードを吹き飛ばしたのが、4番のバットだった。2回、先頭打席でスライダーを左中間に運ぶ14号先制ソロ。この1発で空気は一変した。
ゴメス 追い込まれていたけど、最後に打てるボールを打てた。大野投手からチームとして得点できていなかったし、先制点を取ることができてよかったよ。
自身も対大野は13打数2安打3三振と苦手にしていた。打ち取られた打席をVTRで入念にチェック。「ストライクからボール球になるツーシームを振らされていた」ことをしっかりインプットした。教訓を生かし、追い込まれてからも3球ファウルで粘った。熱心な研究と4番の意地が最高の放物線を描いた。
和田監督 そこまでほとんどの打者がタイミングを取れないまま、内容も悪かった。非常に優位に立てる1発だったんじゃないかな。あれが出ないと、手も足も出ない感じだった。ちょっと重い雰囲気を吹き飛ばしてくれる1発だったね。
指揮官も陰のヒーローと絶賛した。8回にもダメ押しを呼ぶ右前のマルチ安打で、打率は2割9分に上昇。ここ4戦2発、8月は打率3割6分6厘と絶好調で首位キープをけん引だ。
ゴメスだけではない。5番マートンも左安、中安、中安の大野撃ちで今季10度目の猛打賞。8回には又吉からも右前に運び、2度目の4安打だ。9戦連続安打で打率も2割9分6厘までアップ。昨季首位打者が完全に本来の姿を取り戻した。
マートン 今日は秋山さんがすごく頑張っていたからね。最後に狩野さんが打って、勝てて良かったよ。
ゴメス 昨日は坂さん、今日は狩野さん。今はチーム全員が勝利に貢献できているし、これからも一丸で戦っていきたい。明日からの遠征も全力でプレーして、勝てるように頑張るよ。
今日14日からはヤクルト、巨人と眼下の敵と6試合が控える。夏ロードの大きなヤマ場だ。好調な両助っ人は頼もしく必勝を誓った。一気に突き放す。楽しみな関東遠征になりそうだ。【松井清員】



