ボルトになった。ソフトバンクが松田宣浩内野手(32)の激走で日本ハムに競り勝ちマジックを19に減らした。
4点リードを追いつかれた直後。8回1死満塁のチャンスで松田は遊ゴロ。併殺コースも一塁へ全力で駆け抜けセーフ。併殺崩れの間に三塁走者が勝ち越しのホームを踏んだ。嶋田塁審のセーフの声を聞くと、松田は両手を握りしめてほえた。
「全力で走った。世界陸上を見ていてよかった。この前(23日)男子100メートルのガトリン対ボルトを見ていたんで、北京に気持ちがあった」。テレビで見た世界最高峰の走りのイメージで一塁まで一直線に猛ダッシュした。
初回に柳田が4戦ぶりの安打となる27号2ラン。松田は4回に28号2ランでアベックを決め、4点をリードした。先発武田は7回まで3安打無失点。圧倒的な強さだったが、武田が右足がつったため8回は行けず、2番手森がつかまった。慌ててサファテを投入したが4点を追いつかれた。
逆転優勝をあきらめない日本ハムの粘りに、独走状態で忘れかけていたものがよみがえった。松田は「久しぶりに短期決戦みたいな雰囲気でしたし、みんなで勝てたのが大きい」と話す。日本ハムに2連敗すれば、勢いづけるところ。サファテは同点で止め、最後は泥臭く勝ち越した。工藤監督は「勝って本当によかった。松田はよく走ったよ。本当に疲れた。ホッとしたよ」と胸をなで下ろした。すんなりといかなかった74勝目は、伝統的に短期決戦を苦手とするチームにとって、目が覚める1勝となった。【石橋隆雄】



