スイング地獄じゃ! 広島の打撃コーチに就任することが決まった石井琢朗守備走塁コーチ(45)が、得点力不足解消に乗り出す。すでに緒方孝市監督(46)とも話し合いを重ねており、まずは振る力をつけることから入る。歴代11位の安打数2432本を誇るバットマンは他にも有効打をキーワードに掲げるなど、そのDNAを存分に注入していくつもりだ。
血豆を両手に作り、テーピングでガチガチに固める。顔をゆがめて、振って、振って、振りまくる! 広島の秋季キャンプの基本方針の一部が明らかになった。打撃コーチに就任する石井コーチの方針は、チーム全体が振る力をつけること。すでに選手には方針を明かしており、徹底的にバットを振るキャンプになりそうだ。広島が、変わろうとしている。
「基本的なことは変えるつもりはないし(辞任した打撃コーチの)新井さんの考え方を継承したい。ただそこに自分が感じたことを入れていきたい」
同コーチは「1日800スイング」を基本に、キャンプ中の16000スイングを目標に掲げる。なかでも重点を置くのが「素振り」だ。王貞治氏も松井秀喜氏も、石井コーチも緒方監督も、基本は素振りで作り上げてきた。打者にとってもっとも苦しいメニューだが、原点回帰だ。終盤の失速を招かないためにも、最重要なメニューとなる。
古風な練習を掲げる一方、秋季練習では工夫を凝らした練習も取り入れる。柔軟な「琢朗イズム」はすでに秋季練習でも随所で見られる。打撃練習前にはメディシンボールを使って体幹を意識させてから打たせる。ひらがなや数字を描いたボールも持ち出して、目への意識付けも行った。タブレット端末を持ち出し映像を記録する姿も見られる。
振る力と同時に「有効打の重要性」もテーマに掲げる。同じ凡打でも意味があるか、次打席に相手に考えさせることにつながるか。アウトというマイナスの要素を、いかにプラスに持って行けるかが、カギとなる。技術では振る力、実戦では有効打。これが石井コーチの2大テーマだ。
選手にとっても兄貴的な存在で「琢朗さん」と慕われている。指導理念は「強制」ではなく「ヒント」。不振に陥ったときの引き出しや、きっかけとなる一言を与えられる存在を目指す。基本を大切にしつつ、工夫も凝らす。通算2432安打のバットマンが、広島を貧打から救う。



