マエケンが、世界一の奪還へ勢いをつけた。8日に開幕する初開催の国際大会「プレミア12」に出場する侍ジャパンは、プエルトリコとの強化試合に臨んだ。エース前田健太投手(27)が先発で3回を投げ、打者10人に対し8奪三振。1安打無失点に抑え、貫禄を見せつけた。打線も12安打で8点を奪い快勝した。今日6日も同カードの強化試合に臨む。

 3回を投げきると、前田は涼しい顔でベンチに引き揚げた。調整の意味合いが強いマウンドだったが、メジャーリーガーのいないプエルトリコとは格が違った。1回に3者連続三振を奪うなど、3回を1安打無失点で8奪三振。「スタイルではないので。球数も多いし」と苦笑いしながらも「まあまあですね。持っているボールも満遍なく使えた」と振り返った。

 スライダー、チェンジアップなど変化球のキレもシーズンさながら。直球も最速149キロをマークした。走者が出ずセットポジションで投げた3回には先頭打者に二塁打を浴びたが、その後は再び3者連続三振で断った。「ピンチも抑えられてよかったです」と手応えを口にした。

 メンバーは違うとはいえ、赤と青のユニホームを忘れられない。3連覇を狙った13年の第3回WBC。準決勝で日本の、前田の夢を破ったのがプエルトリコだった。先発し、屈辱の敗戦投手となった。「ものすごく悔しい思いをした」と残る記憶。少しだけ借りを返し、世界一へ向け好スタートを切った。

 13年から立場は変わり、年齢も投手陣で上から3番目になった。求められることは分かっていた。2日に集合すると、西や松井ら若手投手陣に囲まれた。「聞かれれば何でも」とオープンに構えた。経験も生きた。イニング間のキャッチボールが出来なくても「初めてではないので問題ないです」と心強かった。

 前田らしく気持ちも高めた。練習用のグラブには「日本代表として戦う。日本といえば富士山。パッと最初に思い浮かんだ」と日本一の山のイラストを入れた。虹色の模様と太陽も入れた。世界一へ、こだわりの一品だった。

 試合後には小久保監督が「一安心。予定通り台湾での初戦、メキシコ戦(11日=天母)にいかせます」と明言。台湾での初戦に登板が決まった。ポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を希望しており、海外からの注目も浴びながら世界一へと向かっていく。試運転で、その実力を見せつけた。【池本泰尚】

 ◆13年3月18日・WBC準決勝VTR 侍ジャパンのエース格だった前田はプエルトリコ戦に先発。立ち上がりに球審から手首の数珠を外すよう指示を受けてリズムを崩し先制点を与えた。その後は立ち直り、メジャー屈指の名捕手Y・モリーナらを擁する打線を5回4安打1失点に抑えた。だが、打線の援護がなく敗戦投手となり大会3連覇の夢も消えた。