アニキを男に! 中日からFA移籍した阪神高橋聡文投手(32)が、日刊スポーツの取材に応じ「1年目が勝負」と、危機感をにじませた。FA交渉中に電話口から聞こえた金本知憲監督(47)の言葉に感動。新天地で一から競争に加わる覚悟を決めた。自ら厳しい環境に身を投じた左腕は、指揮官を胴上げすると誓った。
高橋の言葉から危機感が漂う。ライバルチームに請われて3年契約という好待遇でFA移籍。無数のフラッシュを浴びた入団会見から1週間が経過した。「ユニフォームを着てようやく実感が沸いた」と言うが、その表情に笑顔はない。
「正直、1年、1年です。もちろん、来年が勝負だと思う。結果です。結果が必要になる」
球界屈指の人気球団であるが故の厳しい目もある。移籍1年目で仕事をしなければ、居場所がなくなる。それほどの思いで移籍を決断した。
金本監督に吸い寄せられた。タテジマを着ると決意したのはわずか3分間の電話。先月14日の交渉中に高野球団本部長が金本監督の電話番号をコールした。「体はどうなんだ?」。「一緒に頑張ろうや!」。親身になって語り掛ける言葉が、悩んでいた高橋の背中を押した。
「体のことも心配してくれていて、すべての言葉がうれしかった。やっぱり男気(おとこぎ)がある。そんな感じですよね。間違ったことは嫌いというか、筋を通すというか。そんな方だと思う。期待に応えたいという思いはやっぱりあります」
注目度は増している。ストッパー呉昇桓の去就は不透明。守護神退団となった場合、4年ぶり古巣復帰の藤川、経験がある福原らが抑え候補に挙がる。歳内、松田らイキのいい若手投手もいる。だが、状況次第では経験豊富な左腕に大役が回ってきても不思議ではない。高橋はその話題を自ら遮った。
「正直、抑えがどうこう言う前に、開幕1軍に入らないといけない。今はそんなこと言えないですよ。どこでも言われたところでとしか言えない。それまでにやることもたくさんある」
金本監督自ら熱望して移籍が実現した。「期待外れ」では済まされない。ブルペンの中心で金本阪神を支える。【桝井聡】



