【米グアム6日=為田聡史】巨人阿部慎之助捕手(39)が異色の“捕手トリオ”で本格始動した。ハングル&黄色い雄たけびがグラウンドに響き渡った。韓国プロ野球斗山ベアーズのパク・セヒョク(28)と、17年U18アジア選手権の侍ジャパン女子代表メンバーとして優勝した平成国際大・金満梨々那(1年)との3捕手で19年シーズンへ向けてトレーニングを開始した。

日韓、男女の枠を超えた即席トリオを結成した。昨季まで斗山ベアーズでコーチを務めた後藤打撃コーチの紹介でパクを迎え入れた。将来の女子野球を担う金満は「やる気がある。頑張っているし、俺も、という気持ちになる」と女子大生アスリートの弟子入りも許可。「シーズン中は、なかなかこういう経験はできない。いつもとは違う刺激をもらった」と晴れ渡った青空の下で汗を流した。

4年ぶりの捕手復帰を決め、頭の中もキャッチャー一色に染まっている。「打撃はキャンプに入ってからでもできる。まずは守備」と若人に交ざってフットワークを鍛えた。二塁送球では強肩を披露するパクを横目に「ムキになっても勝てないから。おじさんはコントロール勝負」。ピチピチの現役女子大生にも容赦なくハードトレを課したが、金満からは「すごく勉強になった。女子野球の『阿部さん』と言われるように頑張りたい」と崇拝された。

練習後の昼食は宿泊先の自室にパクを招待し、自らゆであげたそうめんを振る舞いながら“捕手道”を伝授。パクからは「韓国で日本のプロ野球といえば阿部さんのイメージが強い」と憧れのまなざしを受けた。プロ通算400本塁打、捕手復帰へ、ベテランが常夏のグアムで“捕手ずくめ”のスタートを切った。