34歳のベテランが元気だ! 中日吉見一起投手(34)が20日のオリックス戦に先発し、7回を6安打2失点(自責点1)に抑えた。「求めているゴロアウトが増えてきた。高さが、低くなっている。メカニック的にも順調過ぎるかな」。21個のアウトのうち、12個がゴロ(犠打は除く)。低めを丁寧に突いた結果で、手応えを隠さなかった。

この日は発奮材料があった。オリックスは20歳の右腕山本が7回途中まで無失点の快投。14歳年下に刺激を受けた。「いいピッチャーだな、と思った。20歳でしょ? 負けたくないと思ったら、2点取られた。いい投手と投げ合うのはしんどいが、楽しいですよ。モチベーションになる」。3回に2点を先制されたが、投手戦を心から楽しんだ。

昨年8月のヤクルト戦で6年ぶりの完封勝利を挙げた。今季も開幕ローテーション入りが内定しており、かつての存在感を放ちつつある。栄光と苦難を知る男は達観した表情で言った。「この歳なので、後悔ないようにすることが1つのモチベーション。考えて投げての結果なら責任は取れる。ただ投げてのボールは後悔しかない」。1球ごとに考えを張り巡らし、集中して投げる。その繰り返しによる産物がこの日の投球だった。

「あとはゲームに入っていく集中力。なぜ野球をするのかを考えれば、モチベーションは上がる。試合の日に100%できるようにするだけ」。4月3日、広島戦(ナゴヤドーム)の登板が濃厚。仕上がりに自信を深め、あとは心を整えていく。【田口真一郎】