北海道6大学春季リーグが27日、苫小牧・とましんスタジアムで開幕する。4季ぶりの王座を狙う東農大北海道には、昨夏甲子園に長野・佐久長聖エースとして出場した林虹太(1年)が加入し、春からベンチ入りする。高校時代、元PL学園監督で米大リーグ・ドジャース前田健太(31)らを育てた藤原弘介監督(44)に伝授された「考える投球」を実践し、勝利に貢献する。

冷涼な長野出身の林にとって、北海道の寒さはほとんど気にならない。開幕に向け「雪には驚きましたが、寒さは問題ない。メンバーに入るからには自覚を持った投球でチームの力になりたい」と意気込んだ。

高校3年間、配球は自ら考えて投げてきた。「打者の反応を感じ、自分で考える。高校時代に藤原監督から“捕手では見えない部分もあるから”と教えられてきたので」。大学でも先輩捕手のサインに首を振る。自信を持って望む球種を投げる姿勢を貫き、チームもその意思を尊重している。

3月の沖縄合宿では社会人のエナジックとのオープン戦に先発し、3回無失点と好投。1年生では林と伊藤茉央投手(福島・喜多方)の2人だけが、メンバー入りを果たした。最速145キロで安定感もあり、三垣勝巳監督(38)は「丁寧に投げられる。1年生が結果を出せばチーム全体の刺激になる」と期待した。

三垣監督もPL学園OBで、林は「高校から一貫した考え方なので、すぐに入ってくる。4年間さらに鍛えて、将来は上のレベルでやりたい」と前を向く。高校、大学とPL流を7年間、徹底して学び、プロへの道を切り開く。【永野高輔】

◆林虹太(はやし・こうた)2000年(平12)8月6日、長野・佐久市生まれ。佐久岩村田小4年で野球を始める。佐久長聖中まで捕手で、佐久長聖高1年の5月に本格的に投手転向。1年秋に背番号18でベンチ入り。昨夏の長野県大会で優勝し甲子園出場。1回戦で旭川大高にタイブレークの末、勝利し、2回戦で高岡商(富山)に敗退。好きな選手は楽天則本。血液型AB。家族は両親と兄。176センチ、80キロ。右投げ右打ち。