昨春の大学選手権で14年ぶり3度目の優勝を果たした仙台6大学リーグ・東北福祉大の最速149キロサイド右腕・津森宥紀投手(4年=和歌山東)は、全日本選手権や侍ジャパン大学日本代表での大舞台で防御率0・00。今季はドラフト上位指名に向け、リーグ戦から無失点での完全優勝で存在感を示す。

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津森が春からキレッキレだ。13日の開幕戦で先発し、宮城教育大を8回2安打12奪三振無失点。20日は抑えで東北大に1回無安打2奪三振。「プロに指名していただけるなら上位で行きたい。任された場面でゼロに抑え続けたい。全日本選手権優勝まで、全部無失点で勝つつもりです」。右横手から最速149キロの浮き上がるような直球に、スライダーやシンカーを交えて、三振の山を築く。

1年時に大学日本代表候補合宿に呼ばれたことが転機だった。同じサイド右腕で当時4年生だった16年DeNAドラフト2位水野滉也投手との出会い。「スライダーやフォークのキレがすごかった。キャッチボールからご一緒させていただき、教えてもらった握りや腕の振りを自分で工夫しながらレベルアップ出来ました」。変化球の向上は、直球を生かす武器となった。

2年、3年では日の丸をつけてマウンドに立った。日米野球を含めた国際大会で計6回2/3を投げ、5奪三振自責0。3年連続出場中の全日本選手権でも計23回1/3を19奪三振自責0。大舞台での強さを示してきた。「結果が出て自信が持てた。プロでは中継ぎかなとも思っている」。映像で研究し続けてきた元ヤクルトの抑えエース林昌勇のような、躍動感あふれる姿を追い求める。【鎌田直秀】

◆仙台6大学野球 東北福祉大、東北学院大、仙台大、東北工大、東北大、宮城教育大が属する。連盟創立は1969年。2戦先勝方式の総当たりによる勝ち点制。春秋通算優勝回数70度の東北福祉大が、東北学院大の18度を大きく上回る。東北福祉大は佐々木主浩(元横浜)金本知憲(元阪神)矢野燿大(阪神監督)ら計48人のプロ選手輩出。岸孝之(楽天)は東北学院大OB。