オリックスK-鈴木投手が“4度目の正直”でプロ初勝利をもぎ取った。

初回に先制点を与えるも、2回以降は毎回走者を背負いながら最速147キロの直球を軸にカーブやフォークを有効に使い、幾度もピンチを切り抜けた。6回途中3安打1失点。今季4試合に先発し、防御率1・69と抜群の投球を続けていたが、勝ち星に恵まれなかった。ようやく1勝目をつかんだ。

「素直にうれしいの一言です。今日は感覚的にも悪かったんですけど、しっかり高城がリードしてくれた。感謝したいですね」

プロ2年目の今季は投球時の基本動作を徹底的に見直した。バーを担いで横跳びを繰り返すなど、後ろ体重になりがちだったものを前に力を伝えるように改善。春季キャンプ後に、中垣育成統括ゼネラルマネジャー補佐兼パフォーマンスディレクターの指導のもと取り組んだ。4月20日ソフトバンクとの2軍戦で完封勝利を収めた頃、感覚の変化を感じたという。「最初の3試合くらいは全然ダメだったんですけど『これか!』という感じでしたね。そこからいい感覚だったので、今でも続けています」。

記念のウイニングボールは千葉・鎌ケ谷から今季の先発4試合全て観戦に訪れていた両親に試合後すぐに手渡した。「親に(初勝利を)見せられてよかった。4度目の正直ですね。自分が野球をできているのは親のおかげだと思うので、感謝の気持ちを最初に伝えたい。去年本当にふがいない成績で終わってしまったので、今年はやってやるぞという気持ちが強いです」。進化を遂げた右腕がこれから勝ち星を重ねていく。【古財稜明】