東農大北海道が4季ぶりに王座を奪還した。旭川大とのプレーオフを3-2で制した。春秋通算29度目の優勝で、16度目の全日本大学選手権(6月10日開幕、神宮ほか)出場を決めた。

2-2の延長12回1死一、三塁。副主将の4番松本大吾一塁手(4年=群馬・桐生第一)が相手先発野原の変化球を右前に運ぶサヨナラ適時打。前日は1安打に終わり、宿舎前で三垣勝巳監督(38)のもとバットを振り込んだ。「今日は自分がキーマンだと思っていた。三垣さんを男にできました」と笑顔を浮かべた。

社会人経由を含め14人のプロを輩出した強豪も17年春以来優勝から遠ざかった。田辺直輝主将(4年=長野・佐久長聖)は「個の力はない。今年は今まで以上にチーム力で戦った」。3位に終わった昨春以降は選手間ミーティングを毎日繰り返した。練習中の細かなプレーまで指摘し合い、時に口論にもなったが、互いの考えを共有し合った。

17年12月就任の三垣監督は「田辺、松本ら4年生がよく引っ張ってくれた」。開幕節の連敗から立て直し、この日3時間13分の激闘を制してつかんだ全国切符。初戦は開幕日に近大工学部と対戦する。田辺主将は「ここがゴールじゃなくてスタートライン。全国でも勝ちたい」と力強く言いきった。【浅水友輝】