楽天が今季ワーストを更新する8連敗(引き分け挟む)を喫した。先発美馬学(32)が7回4安打8奪三振と好投も、日本ハムが繰り出す6投手の前に打線が散発6安打と沈黙。今季8度目の完封負けで3位に転落した。

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美馬の粘投も実らなかった。1回、いきなり2死満塁のピンチを迎えるも、清宮をフォークで空振り三振。2回にも2死一、二塁から渡辺を高めの直球で空振り三振に仕留めた。「何とか先制点をとられないようにと思って投げていた」。7回110球無失点も報われなかった。日本ハムは中継ぎの3年目左腕・堀が2回限定の「オープナー」として先発。先頭茂木の三塁打以降は無安打に封じられた。3回から登板の金子には4回3安打7三振。その後もタイプの違う4投手を打ちあぐねた。

敗戦の中にも明るい材料があった。腰痛のため2軍調整となっていた嶋基宏捕手が、6月6日以来1カ月ぶりに1軍昇格し、いきなり先発マスク。美馬を巧みにリードし、存在感を示した。平石洋介監督も「美馬と嶋がしっかり試合を作ってくれた」とバッテリーを評価した。

美馬にとっては、監督推薦で2年ぶり2度目の出場が決まったオールスター前最後の登板だった。もちろん、この日はチームの勝利だけを求めてマウンドに上がっただけに、試合後は無念の表情。「何とか0で終われたので、後半戦に向けて収穫になったと思います」と淡々と振り返った。

今江が右目の中心性漿液性脈絡網膜症を再発、渡辺が右足首習慣性腓骨(ひこつ)筋腱(けん)脱臼、福山が右肘と肩の手術と離脱者が相次ぐ。それでも9日のオリックス戦では、右肘手術からの復活を目指す則本の先発が見込まれる。8連敗も貯金はまだ2。前半戦残り4試合を総力戦で乗り切る。【野上伸悟】