「山田哲人が本塁打を打つと、ヤクルト負ける説」立証ならず!山田哲人内野手(26)が、1点を追う3回にチームトップの21号ソロを放った。今季、山田哲が本塁打を打つと5月10日巨人戦から11連敗の球団記録となっていたが、5回に打線がしぶとく2点を奪い、逆転勝利。「検証結果」は、昨季10月以来、今季初の4連勝につながった。

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山田哲にとっても、チームにとっても、うれしい検証結果となった。「ナイスホームラン!」とベンチで声をかけられ、笑顔でハイタッチ。逆転勝利を呼び込む本塁打となった。1点を追う3回2死、カウント1-2からの5球目、中日先発大野雄の低めスライダーを左中間へ運んだ。21号同点弾で、試合を振り出しに戻した。「打った瞬間は手応えがあったけど、狙っていなかったから自分でもびっくり。必死にくらいついて、前に飛ばそうと思ったらいいところに飛んだ」と喜んだ。

と同時に、頭をよぎったのは「山田哲人が本塁打を打つと、ヤクルト負ける説」だった。5月10日巨人戦から6月24日オリックス戦まで、本塁打を打った試合が11連敗の球団ワーストとなっていた。その不名誉な記録が報じられ、耳に入ると「それは気になる。聞いたら、打てなくなるよ」とポロリ。3度のトリプルスリーを達成している男でも、不安を抱えていた。

でもこの日は違った。5回に下位打線からつながり、しぶとく2点を奪って逆転に成功した。今季初の4連勝で、5位中日とは2ゲーム差に縮まった。借金はまだ14と先は長いが「1試合1試合、積み重ねていくしかない。今日みたいなゲームができていけば」と確かな手応えをつかんだ。

チーム状況で、今季は3番だけでなく4番にも入り、6月14日西武戦以降、1番に定着。コンディションは毎試合、打席ごとで感覚が変わる。「状態は、普通かな。むしろ悪いかもしれない」と言いつつ、この日も2四球を選び計75四球と、意識する出塁率は4割3分。打率も2割7分7厘まで徐々に上げている。逆転勝利を呼び込んだのは、間違いなく自身の本塁打。「よかったです。ここから、頑張ります」。「山田哲人が本塁打を打つと、ヤクルト勝つ説」の立証に入る。【保坂恭子】

◆山田哲本塁打メモ 今季の山田哲が本塁打を打った試合は4勝14敗1分け。本塁打試合で勝ったのは4月28日広島戦以来となり、5月8日阪神戦で引き分けた後は同10日巨人戦から11連敗中だった。本塁打を打った試合に11連敗は93年小早川(広島)以来で、ヤクルトで2桁連敗は、国鉄時代を含めて山田哲しかいなかった。