宮城勢決戦は、七十七銀行が3時間47分の熱戦の末に5-4で日本製紙石巻を下し、5年ぶり10度目の代表切符を勝ち取った。延長11回表に勝ち越され、なお1死一、三塁で登板した田辺樹大投手(24=中央学院大)が無失点に抑える好リリーフ。その裏、1死からの3連打で同点に追いつき、なお満塁で長田駿介外野手(24=富士大)がサヨナラ打を放った。

日本選手権は10月21日から京セラドーム大阪で開催される。

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雪辱マウンドの田辺が流れを変えた。延長11回表に1点を勝ち越され、なお一、三塁。カウント1-2から小河義英監督(41)は「ピッチャー田辺」をコールした。前日23日の準決勝・きらやか銀行(山形)戦に先発も1死しか奪えず2失点で屈辱降板。田辺は「昨日のことは昨日のうちに切り替えて、今日やるべきことをやった」と1球で二ゴロで仕留め、次打者も左飛で追加点を許さなかった。

執念はその裏の攻撃陣にも伝わった。1死から代打山崎信弥外野手(35=東北福祉大)の中前打から3連打で同点に。さらに1死満塁から、6番長田が「(前打者が申告敬遠で)『任せろ!』という気持ちになった」と初球を引っ張り、左前に代表切符をつかむサヨナラ打を運んだ。小河監督は「2ストライクに追い込んで1球なら田辺でいい」と、采配的中に笑みを浮かべた。

7月の都市対抗ではヤマハに1-2で初戦敗退。夏の強化期間は1日1000スイングが野手に課せられた。努力の結果、チームは今予選の3試合で22得点。長田も8打数6安打の打率7割5分で首位打者賞を獲得した。小河監督は「全国ではいいピッチャーが投げるので、打てない中でどう点を取るか。打力だけでなく、走力、小技なども全体的に上げていきたい」と、過去最高の8強以上に挑む。【相沢孔志】