日本ハム金子弌大投手(35)が、古巣キラーぶりを発揮した。かつての本拠地で移籍後初登板となったオリックス戦(京セラドーム大阪)は、5回5安打無失点。「京セラで投げるっていうのは違和感ないですけど、応援とかは気になりました」と振り返ったが、対オリックスは3勝、24イニング連続無失点で防御率0・69と圧倒している。

最大のピンチは2点リードの3回。1死満塁で吉田正を迎え「甘い球は、いっちゃいけない」と、選んだのはシュート。低めに沈んだ1球で、二ゴロ併殺で切り抜けた。球数77球と余力を残し、約1カ月ぶりの白星となる5勝目を手にした。栗山監督も「よく粘ってくれた」とたたえた。

古巣相手に、ずばぬけた強さを見せている。失点は3月30日の2点のみ。「まだ僕との対戦数が少ないから、多少は分があるんじゃないかな」と冷静に分析しつつ、「対戦したことがない黒いユニホームが、結果的に良かったのかな」。オリックスの期間限定ユニホームを“別チーム”ととらえ、ジョーク交じりに笑った。

体のケアに一層気を使っている。再生力を高めると注目されているヘンプシード(麻の実)のオイルを口から摂取。効果的に疲労回復に努めている。数万円する高級オイルながら、興味を持った近藤らにプレゼントし、チームにも還元。頼もしいベテランが、苦境に立つチームで存在感を放ち始めた。【田中彩友美】

▼日本ハム金子が古巣オリックスから3勝目を挙げた。同カードは5試合に登板し負けなし。防御率0・69と抑えている。日本ハム投手陣では、有原も今季のオリックス戦は3戦全勝、防御率2・25。チームの対戦成績は10勝7敗2分けだが、金子と有原だけで6勝を挙げている。