ソフトバンクが西武との直接対決に敗れ、6月24日以来の2位に転落した。今季西武相手に4勝を挙げている高橋礼投手(23)が3回2死満塁から森に決勝打となる右翼線先制3点二塁打を許した。

工藤公康監督は「明日は絶対勝ちます」と12日の西武との今季最後の直接対決での必勝を誓った。今日勝って首位を奪い返し、優勝マジック12を点灯させる。

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甘い球ではなかった。3回2死満塁、高橋礼は初球、真ん中低めへの変化球を森に拾われ右翼線へ運ばれた。走者一掃で3失点。決勝打となった。工藤監督は「あの回(3回)だけ。森君はうまく打ったからな。低めの球だったし。西武打線に3点は許容範囲。いい投球だった」と6回3失点の投球の高橋礼を責めなかった。高橋礼は「ボール球から入ればよかった。ベース板の上から落とす球になった。下位打線からチャンスをつくられたので悔しい。集中力が相手の方が上だった」と悔やみきれない1球となった。

工藤監督は2点ビハインドでも、7回はモイネロ、8回は甲斐野と勝ちパターンの投手をつぎ込み勝利への執念を見せた。しかし打線が球を手元で動かす西武ニールをとらえきれなかった。工藤監督は「いつもと配球が全然違っていたので、合わせるのにちょっと。中盤からは安打も出た。残念ですね」と、明かした。

大事な西武との直接対決2連戦。この日の試合前は、通常選手のみで行う円陣に入り「俺たちはチャレンジャーだ。1つのボールに集中して、バカになってやろう。こういうときにバカになって野球ができるか、楽しめるか。それが本当に強いチーム。楽しんで、今日は勝つぞ!」と、自ら大きな声を出した。今季初めての行動で、選手たちにも熱い思いは届いていた。

6月24日以来の首位陥落。だが、今日12日に西武に勝てば優勝マジック12が点灯する。工藤監督は「明日は勝ちます。明日、(首位を)取り返せばいい」と普段は慎重だが、はっきりと必勝を誓った。今季全幅の信頼を置く12勝のエース千賀に先発マウンドを託す。工藤監督は「あとは野球の神様がどちらにほほ笑んでくれるか。僕らは一生懸命やるだけ」と話す。就任した15年から2度リーグ優勝、3度の日本一と経験豊富なナインを信じ、最後の直接対決に挑む。【石橋隆雄】

▽ソフトバンク・デスパイネ(5回にチーム唯一の得点となる33号ソロ)「打ったのは真っすぐかツーシーム。完璧に捉えられたよ」