20年間のプロ野球人生を有終の美で飾る。今季限りで現役を引退する日本ハム田中賢介内野手(38)が25日、現役最後となる26日からのオリックス2連戦(札幌ドーム)へ向け、思いを口にした。

チームとともに遠征先の大阪から空路で札幌へ移動。残り3本と迫っている日本球界通算1500安打到達も目前で、スタンドのファンに最後の勇姿を届ける。

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泣いても笑ってもあと2試合。現役ラストが近づく田中賢がつぶやいた。「最後までこんな数字と戦わなければいけないのかな」。報道陣を前に冗談を言って笑いを飛ばした。日本での通算1500安打は目前。24日オリックス戦で1安打し、大台まであと3に迫った。「嫌でも(頭に)入ってきますし、意識しないというのは難しいかもしれないけど、逆に意識しながらやれればいいかなと思う」と意気込んだ。

注目されるのはバットだけでない。二塁手部門で過去6度のベストナイン、5年連続のゴールデングラブ賞の経験を持つ守備。一塁で先発した8月15日のロッテ戦を最後に守備機会はなく、本職の二塁には3月31日オリックス戦以来就いていない。「半年守っていないですからね」と笑いながらも「1イニングかそれくらいしか守らないと思うけど、最後ちょっと守りたいなと思う」と意欲を示した。

26日には、球団が北海道に移転する前の東京時代からともにプレーしてきた実松2軍育成コーチ兼捕手(38)が一足先に引退会見する。「本当にずっと一緒にやってきたし、一緒にならんで辞められるというのは運命というか、幸せなことだと思う」。栗山監督は「もちろんできる限りのことはする」とスタメンでの起用を示唆。田中賢は「忙しくなりそうな2日間ですね」。感謝を込めて、最後まで全力で駆け抜ける。【山崎純一】