新監督は決まっていないけど…。4位に終わった広島に、磯村嘉孝捕手(26)坂倉将吾捕手(21)の三塁挑戦計画があることが3日、分かった。高信二ヘッドコーチ(52)が明かした。球団は国内FA権を取得した会沢翼捕手(31)を引き留める方針で、残留すれば控え捕手の出番が限られる。打撃のいい2人の出場機会を増やすため、内野にも挑戦させる考えだ。新監督の意向次第だが、来季への準備を進めておく。

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高ヘッドコーチがマツダスタジアムを訪れ、球団側と来季への課題などについて話した。緒方監督は勇退したが、新監督は未定。現状のままなら、9日からの秋季練習は同ヘッドが指揮を執る。「個人的には」と前置きした上で、捕手の磯村と坂倉に三塁守備に取り組ませる考えがあることを明かした。

「前監督とシーズン途中から話していたけど、坂倉サードも面白い。イソ(磯村)もキャッチャーだけじゃなくて、内野も面白いんじゃないかと」

正捕手の会沢が国内FA権を初めて取得し、球団側は引き留める方針を示している。残留すれば、来季も正捕手。今季の得点圏打率はリーグNO・1の3割5分1厘で、攻守の要としての役割を担う。そうなれば、出場65試合で打率2割7分8厘の磯村、2試合で3番に抜てきされた坂倉の出番は限られる。高ヘッドの構想には、2人の打力を行かすため、守れる守備位置を増やして出場機会を増やす狙いがある。

今季1番中堅に定着した西川も、キャンプではバッテリーを除く7つの守備位置の練習に取り組んだ。シーズンでも左翼、一塁を経て中堅の定位置を奪い、打順も4番と9番を除くすべてを経験した。複数ポジションを経験することが、初の規定打席到達のきっかけになったともいえる。磯村、坂倉にとっても、可能性を広げてマイナスになることはない。

みやざきフェニックス・リーグは7日に開幕し、チームの秋季練習は9日に始まる。監督不在で見切り発車の可能性もある中、4位からの巻き返しに向け、広島は打てる手を打っていく。【村野森】