リードオフマンが躍動した。ソフトバンクの1番・牧原大成内野手(26)が、3安打に自身プロ初の4打点で打線を引っ張った。

まずは初回、先頭の打席で鮮やかに右前打。この1本をきっかけに打線がつながり、牧原は中村晃の適時打で先制のホームインだ。「1番バッターとして、なんとか塁に出ようと思っていた」。2試合続けて初回先頭安打、初回得点でチームを勢いづけた。

「歩かない1番」だ。今季は436打席でわずかに10四球。CSもここまで4試合で1つもない。「打って出た方がチームに勢いが出る」という積極スイングが持ち味だ。2回は1死二、三塁で一塁線を破る適時二塁打。4回には右中間席へ2ラン。いずれもファーストストライクから振っていった。

育成出身のプロ9年目。昨季初めて100試合以上に出場し、今季は「1番二塁」で開幕スタメンを勝ち取った。レギュラー獲得が見えたが、主力選手に故障者が相次ぎ「最強のユーティリティー」になった。本職の二遊間だけではなく、外野でも全ポジションで先発を経験。捕手2人制だったシーズン終盤は、万が一の場合の「第3捕手」としても準備を進めた。

昨年は故障でポストシーズンに出場できなかった。この日はあと三塁打さえ出ればサイクル安打達成という大当たりで、同期のエースを助けた。「千賀が投げて(甲斐)拓也が捕って、ぼくが打つというのがうれしい。大事な試合でできたのがうれしい」。頼もしい1番にけん引され、打線は2試合連続毎回安打。牧原が、頂点まで打線を引っ張っていく。【山本大地】