3冠王指令! 広島鈴木誠也外野手(25)が1日、ランチ特打で10本の柵越えを放った。まだ試運転段階ながら他を圧倒する打撃に、朝山打撃コーチからは3冠王獲得指令が出た。

佐々岡真司新監督(52)も全幅の信頼を寄せる若き主砲は、自主練習時間の午後も1人室内練習場で打ち込んだ。3冠王の枠にとらわれず、打撃の神髄を極めようとしている。

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初日から弾道が違った。ランチ特打を行った鈴木誠は、いきなり10本の柵越えを放った。マシン打撃では柵越えがなかったものの、打撃投手を相手にスイッチが切り替わった。28スイングでバックスクリーン直撃弾など4連発も。最後は推定飛距離140メートル弾で締めた。

「久しぶりに屋外で打ったので力まずにコンタクトすることを意識した。思ったより崩れずに振れたので良かった」

キャンプ初日でまだまだ試運転段階だ。それでも打球音や弾道は他を圧倒する。朝山打撃コーチは「尻周りがまたデカくなっていた。あの下半身があれば飛びますよ。十分鍛えてきてくれた」と感心する。若き主砲を認めるからこそ、要求も高い。「今年は3冠王を取ることを目標に持っていこうと話をした。誠也だからできること。他の選手に言ったら冗談に聞こえるかもしれないけど。それくらい高い意識を持ってやってほしい」。真顔だった。

佐々岡監督も全幅の信頼を寄せる。「当然(3冠王も)狙える選手と思っていますし、チームのプラスになる。4番として引っ張ってもらいたい」。首脳陣からの3冠王獲得指令に本人は「ありがたい」と感謝しながらも「そこは目指していない。チームが優勝した結果、タイトルが付いてくればいい」と冷静だ。

タイトルに興味がなくても、打撃の探究心は尽きない。自主性に任された午後は室内練習場で打ち込んだ。体の正面から動画を撮影。ときにいら立ちをあらわにし、ときにはマイク・トラウト外野手(エンゼルス)や落合博満氏の打撃フォームで打ちながら、30分1人の世界に没頭した。「シーズン(開幕)も早いので、しっかりケアしながら準備したい」。自分のためだけでなく、チームのために、打撃道を追い求めていく。【前原淳】