V奪還は、オレが導く! 北東北大学野球リーグの富士大(岩手)が24日、同大史上初の神奈川キャンプを横須賀スタジアムで始動した。

左腕・宇賀神陸玖(3年=作新学院)と右腕・金村尚真(1年=岡山学芸館)がエースに名乗り。18年秋まで10連覇したが、昨季は春秋ともに屈辱の2位。責任を痛感している2人が、常勝軍団復活への準備を着々と進める。

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逆襲に挑む富士大のブルペンは熱気に満ちていた。順番を争うように投げ込み開始。最速143キロの直球を生かしたチェンジアップが武器の宇賀神は、躍動感あふれる投球フォームを披露した。「去年1年間は1度も優勝できなかった。10連覇したチームと比べたら、投手力が劣っていたから負けた。優勝を逃したエースを覆したい」。昨春は八戸学院大(青森)に11季ぶり、秋は青森大に16季ぶりに優勝を許したリベンジに燃える。

キャンプ前、一緒に練習したJFE東日本(千葉)内定の下地滉太前主将(4年)からの言葉が、さらに気持ちを高めた。「『お前たちの代は優勝しろよ』って言われて、より責任を感じた」。投手主将として、昨秋から練習メニューなども提案し、実行してきた。「新4年生も目の色が変わったし、下級生もそれに触発されている。このキャンプも頭の中も汗をかくくらい、いろいろなことを考えてうまくなりたい」。

甲子園で優勝した作新学院(栃木)同期生の西武今井達也投手(21)は先発ローテの一角として活躍中。負けていられない。最速150キロ右腕の明大・入江大生投手(3年)や、野手の同期生も各大学で数多く主力を担っている。「神宮で会って『あいつ成長したな』って思わせるようにしたい」。まずは春の全日本大学選手権出場を狙う。

昨春から活躍し、昨秋はリーグ戦途中で腰の疲労骨折で離脱した金村も、完全復活してきた。「上半身も下半身も筋力トレーニングでパワーアップできている。ケガしたことで体のケアもしっかりできるようになった」。最速147キロの直球にも力強さが加わった。

部員123人が切磋琢磨(せっさたくま)する横浜、横須賀でのキャンプ。左右両輪の2人が約2カ月後の開幕戦先発マウンドも争い、チームをさらに活気づける。【鎌田直秀】