西武の山賊たちが、ロッテを振り切りCS圏内を占拠した。今季初勝利を目指した日本ハム吉田輝に2回6安打8得点の猛攻を浴びせてKO。本拠地最終戦で苦手としてた日本ハムに3連勝を収めた。同率2位のロッテが敗れたため、シーズン残り4戦でついに単独2位に立った。

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山賊打線が吉田輝をなぶった。初回、芯を食った打球がないのに3連打。金子の快足が吉田輝と清宮の連係の乱れを呼び、外崎のアップルフライはエアポケットのように三遊間と左翼の間に落ちた。塁上がみるみる埋まる。連覇時ほどの勢いがないとはいえ、まとわる威圧感と少しの幸運が絡み合い、新鋭右腕が自滅していく。猛者の栗山と中村が連続四球を選ぶ。気がつけば、あっという間に4点を先行した。

前日3日。「日本ハムファイターズのローランドです」と取材に応じた吉田輝のテンションは高かった。格言を示したのは帝王ではなく、山賊だった。頭領の辻監督は「初回は難しい。一ゴロのプレーでガタガタってきた。逆の立場でも先発は立ち上がりは難しい」と語った。

2回も抜け目がない。金子が出塁すると二盗を決め、源田が適時打で効率的に追加点。仕上げはスパンジェンバーグが吉田輝のインハイ直球を打ち砕き、2戦連発となる15号3ランで引導を渡した。

中国の伝奇小説「水滸伝」。賊や政府に反抗する者たちが集まる梁山泊(りょうざんぱく)には無数の豪傑が集結した。今季の西武は山川が欠け、森が不振に苦しみ、本来の姿ではない。だが新たな個性が生まれる。チーム2位の本塁打数をマークするスパンジェンバーグに、辻監督も「パワーもコンタクトできた時の打球の速さ、強さはすごいものがある。もっと日本の野球にアジャストできて、選球眼が出てくればさらにいい選手になる」と軍団の中心に据えつつある。

今季、ペナントは本拠地最終戦。再び根城に帰還するためには、2位を死守し、CSで王者ソフトバンクを撃破し、日本シリーズに進出するしかない。今カード前は7勝14敗と苦にしていた日本ハムに勝利を重ねた。残り4試合でソフトバンクと1試合を残すが、その他3戦のロッテ、楽天とは好相性。頭領はファンの前で誓った。「死ぬ気で戦ってきます」。山賊が急襲を続け、梁山泊に帰ってくる。【広重竜太郎】